こんばんは。

中々にもどかしく切実な状況ですね。片思いは本当にしんどいものだと改めて、思います。途中離脱する意志を持てず、持つ積もりも毛頭ない。自らが定めた目的に邁進し、一歩でも近づけたい。試行錯誤の努力が結果に結びつく絶対の保証を求めたいが、求める相手こそ意中の存在であり目標の対象そのもの。端から協力して歩調を合わせられる筋も道理もない。さりとて希望や展望が見込めない訳でもなく、兎に角、相手の反応に一喜一憂し、心の襞まで探ってさまざまに考え、解釈する。

当事者は（多少大袈裟かどうか分かりませんが）暗中模索の渦中、息継ぎの補給もままならない。「表面上」は穏やかな表情と態度でやり過ごすだけ精神的な疲労感もすくなくない。「どうしたら良いか」確かにすくなからず深刻に考えあぐねるところでしょう。他人事の心象風景の描写、と言うよりは私の嘗ての経験に重なります（勿論、事情は異なるし混同する積もりもありませんが）。

涼さんの仰られる「ブランク」。恋愛に関してブランク、空白期間はある意味でないと私は思います。１年が１０年先でもとある相手に惚れた、恋心を抱いたその刹那がまっさらなスタートラインとなる。

“どう始めるか”、ではなく「もう始まって」いる訳ですよね。涼さんの恋愛意識を多分に含めた好意が紛れもない起点であり、現在も確実に継続し進行している。このふいに襲われる（じわじわと来る場合もあるようです）独特の感覚は休みも止まりもしない。時には「夢の中」に迄出没する。失恋を含めた「今までの経験」は貴重な参考資料、手引きにはなっても型にはまった公式でも定理でもなさそうです。

ブランクと言えば自動車は兎も角、自転車は何年「ブランク」があっても、すっ、と簡単に乗れて造作なく操作出来る。いちど獲得した感覚はよほどの事情がない限り生涯忘れる事なく何時でも適用可能だし、戸惑いも躊躇いもない事は勿論、ご存じと思います。

状況に然して問題がなければすいすいと進められる乗り手。ここで乗り進める先に「上り坂」が厳然と構え立ち塞がるとします。乗り手は、自転車を自由自在に操り、乗りこなす技術や経験の差、その如何に関わらず大抵は怯み辟易とする。さいきんは電動アシスト付きという大変優れたタイプの自転車がありますが、無論ここは例えの話。

片思いをされる方々は概ね、それなりに長く険しい上り坂を前に立ち往生する。「経験」を積んですこしでも楽に進みたいけれど、心と体の消耗は結局避けられそうにありません。お友達なりの手助けも基本、メガホン越しの声援です。乗り手は飽くまでひとりで汗を流す他はない。

涼さんも経験の量や質とそれに纏わる自信に全く関わりなく、いま、久しぶりに愛用の自転車に跨って勾配のきつい坂を前に立ち止まっている。ペダルを漕いで一歩を踏み出す務めを自らに課すも、先行きの苦労、苦難を思って中々実行には踏み切れない。

どうかすると「頂上」は何時までも姿を現さず、途中で坂が「崩れる」恐れもあります（繰り返して例え話です）。つまり「目的の成就」が叶わない懸念も含む。到達への確実な目処、方針が一先ず立てば、モチベーションはうまく発揮され、力を込めてハンドルを握り、ペダルを踏み込んでたゆまずに登っていけるでしょう。

告白される側、意中の相手は一方で「下り坂」ですよね。見晴しの良い場所からまるで力要らずに爽快に坂を下っていく。これ以上「楽」な話、状態はまあないでしょう。尤も下る坂の具合も、気持ちを伝えた相手によって変化する。好みの相手ならなだらかで何の障害もない。そうでない、全く逆の相手からの対処においては砂利なり石なりがタイヤを絡め取り、スムーズな進行を妨げる。どちらにも相応の事情や都合に取り巻かれてはいますね。

何れにしろ最も穏やかで安定した状況は勾配のないきちんと舗装された平坦な道路です。告白を介して晴れて「両思い」になった二人は足並みを揃えたサイクリングを心ゆくまで楽しむ。誰もが望むところですが結局は相手次第です。それ故に（良識を踏まえながら）ある意味、気ままな見切り発車でも良い。と、思います。

「元彼」の存在等、詳細は分かりませんけど、某か遠慮をする必要も差し障りもないのであれば、交際や告白を殊更に意識せず、「仲良く」交流を重ねて連綿と距離を縮める。「趣味や好きな物」が同じ彼は相性も良く、それだけ会話も弾む筈です。そして自分なりのタイミングを掴んで率直な気持ち、想いを告げる。

突飛な奇策の欠片もないごく平凡な常套手段ですが、涼さんの抱く純粋な「好意」に罪など端からない事です。だから躊躇わずに気持ちを込めて、温かな関係を意中の方と築いて頂いてほしいと私は思います。

人間、「希望」があれば如何なる苦労も厭わないものです。そして出来るなら首尾よく頂上に辿り着いて広く清々しい景色を見渡してほしいですね。私なりの「応援」の気持ちです。

どうぞ、お気持ちが通じますように。