自動思考を止めるには、2つの方法があります。
キーワードは「集中」と「言語化」です。

一つ目は「今すべき別のことに集中すること」。その時に大事なのは、湧いてきた自動思考を忘れようとするのではなく「ああ彼の事が浮かんできたなあ」と受入れながら、メインの作業に目を向けることです。すると時間経過とともに次第に薄れていきます。これは訓練すれば次第に上達することで、例えば同様に自動思考を消す訓練である座禅なんかは3ヶ月ほどで外部装置で観測してもわかるぐらい脳の働きが変わってきます。もちろんすこしだけでも確実に効果がありますので、逆転の発想で忘れるために受験に意識を向けてみましょう。

もう一つは「ひたすら言語化すること」です。
こうして相談室で相談することもそうです。感情を言葉にすることで、自分の気持が自分から離れて客観的に見れるようになり、なんとか受け入れられる位の大きさにとどまります。人に笑い話的に話してみるのも良いでしょう。実況的に自分に解説するのも良いでしょう。自分の感情を自分で確認することで、どんどん気持ちが楽になっていくはずです。

例えば、幸福な瞬間に「こんな素敵な気持ちを言い表せる言葉なんてない」って言う人がよくいると思います。あれは、素敵な気持ちの際限のなさを、そのままにしておきたいがために「そんな言葉なんて無い」という言い方で言語化を避けているのです。もしその人が言葉で言ってしまうと、その感情はありふれた陳腐な記号に成り下がり、既にその感情は消え、過去のものになります。それと同じことを、苦しみを消すために利用しようということです。

よく「時間が解決する」という言い方がありますが、それは長い時間のうちにこの2つのプロセスを自然に繰り返し、いつの間にか楽になるということです。けっして時間が書かれた気持ちがなくなるというのではありません。つらい気持ちを忘れるためにそれを思い出し、忘れるためにその感情を受入れましょう。

無理やり忘れようとするから
余計に忘れられないものだよ。

やれることはやった？

なんでそっけなくなったの？ってことくらい
聞いてもいいと思うよ。