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S.B.さまへ  (F.S.より)
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貴方の声を最後に聞いてから、半年近くが経ちましたね。
お元気ですか?

いろいろと、貴方の噂は聞いたけれども、調子よくないんですって?
直接、貴方の力になれないのは大変もどかしいけれど、
いつも遠くから貴方の平安を祈っていました。

メールでもたびたび近況は知らせていたので、
貴方も知っていると思いますが、私もいろいろありました。
就職できそうなこと、友達を失ったこと、家族のこと、恋愛のこと。
本当は、直に貴方の顔を見て、報告したかったけど……。

この数ヶ月間、どれほど貴方の姿に、声に、表情に焦がれていたことか。
貴方は知るよしもない。

会いたくてたまらない。
もう一度、私の名を呼ぶ貴方の声が聴けたら。
もう一度、あの眼差しを私に注いでくれたら。
もう一度、あの微笑みを見せてくれたら……。
どんなに求めていたことでしょう。

私は今、心臓がまっぷたつに裂けたような苦痛を味わっています。

このまま死ねたらいいのにとすら思います。
しかし、これしきのことで逃げては誰にも顔向けできません。

貴方への想いは、消えそうにありません。
貴方がどんなに私を拒んでも、無視しても、望んでも、
私自身、貴方を忘れたいとすら思ったこともありましたが、
それでもやはり、こればかりはどうにもできないみたいです。

ひたすら懐かしく、愛しい貴方。

愛しいからこそ、貴方の幸せを祈るのが、
私に出来る精一杯の愛の証なのかもしれません。

それなら、それでいい。

もう一度だけ、貴方に会いに行く私を許して下さい。
貴方は驚くかも知れないし、呆れるかも知れない、
もしかしたら、気味が悪いとすら感じるかも知れないけど、
それを承知のうえでも行動する私の意地を許して下さい。

裂けたこの心臓を癒やせるのは、おそらく貴方だけです。

しかし、裂けた心臓のまま生きよと云うのなら、
それもまたよきかなです。
こうなるのが、私の宿命だったのでしょうね。

貴方に、神のご加護を。
私の貴方への愛が、天使の守護となりますように。