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気弱君さまへ  (悠より)
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「うち、気弱君のこと、好きだよ」

この言葉を言いたいのに、臆病になって、怖くなって、違う言葉にすり替わる。

「うちの好きな人のイニシャルはね……」
「うちの好きな人の出席番号はね……」

遠回しな言い方。
伝わっているのか、分からない言い方。

でも、きっと伝わってたから、君はうちを避けるようになったんだよね。

話しかけても、無視されて、逃げられて。
うち、すごく悲しくて、傷ついたんだよ?

でも、やっぱり君は優しいね。

避けるのをやめてくれた。
冗談をいってくれる。
うちの前で、楽しそうに笑ってくれる。


でもね。

あの子と君が話してるのを見てると、胸が苦しくなった。

だって、君は、うちと話してるより、ずっと、ずっと楽しそうだから。

あの子が、君のことを好きでも。
君が、あの子のことを好きでも。
どっちも、あり得るような気がしてきた。

やっぱり、一回話さなくなったうちと、毎日話してるあの子と、差ができたのかな?
君は、あの子の方を、見るようになっちゃったのかな。


そう思うと、悲しくて、ちょっと寂しいな。


君と付き合えたらーって、何回も考えた。
一緒に帰りたいな。
君の方から、話しかけてほしいな。

ありえない、って思うけど、やっぱりどっかでそうなってほしい、って思って。

うち、ネガティブだから、良い想像をしても、現実にはならないって考えちゃうから。
悪い想像は、きっとこうなるって思うのにね。
でも、ポジティブに考えようって、初めて、そう思った。
だったらいいな、じゃなくて、きっとそうなる。
こう言おうかな、じゃなくて、こう言う。

ポジティブになることで、上手くいく、って思ってるわけじゃないけど、運をこっちにたぐり寄せるみたいに、そうできればな。






「気弱君、好きな人いる?」
こう聞いて、もし君が「いる」って答えたら、まずあの子かどうか聞く。

お願い、違って。

そう思いながら聞く。
そして、違ったら、違うのだったら、うち、度胸もないから、一通り、クラスの女子の名前挙げようかな。
もし、全員違ったら、別のクラスの人を言う前に、最後の最後に


「ねぇ、うちのこと、好き?」


って聞くよ。

でも、もしかしたら聞けないかもしれない。
君が、クラスの女子の誰かのことを、「うん、そいつ」って言うかもしれない。
怖いよ。
怖いけど、聞かないと。
終われない。

心の中で、ガンガン、頑張れうち!って思ってる。
タイミングがなくなったらおしまい、ってことは、身に沁みて分かってる。


過去に足を引っぱられやすいってことは、知ってるよ。
だから、今まで動けなかった。
全部、崩れちゃいそうで、何もできなかった。

大丈夫、大丈夫。いつでも言える。まだ機会はたくさんある。

そう思って、何回後悔したか。
いつでも、なんてなくて。
機会は、その瞬間だけで。
一秒でも、もったいない。

それに気づくのに、どれだけかかったか。


これで、最後。


そう思おうって決めた。
勇気が、出なくならないように。
一言目が、言えるように。




話を聞かないのは、なしだよ?
最後になるかもしれないんだから。
ちゃんと聞いてよね?気弱君。