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ちょっと背が低いあなたさまへ  (ちょっと背が高い私より)
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ねぇ。あなたは覚えていないでしょう。

初めて会った時。私たちはまだ一桁の年だった。

二人を繋ぐのは音楽だけ。

でもそれでよかった。

一緒に弾いて、一緒に笑って。

それができただけでよかった。

親から聞いたあなたの言葉。




「将来お嫁さんにもらっていいですか?」


 ―まだ幼かった私たちの、幼い約束。



時が流れて、あなたは大きくなった。

久しぶりに会って話すと、あなたは色んな話をした。

学校、友達、先生、習い事のこと・・・。

でも一番多かったのは、恋愛について。

六人にも告白されたって、どこか照れくさそうに話すのを見ると、すごく苦しかった。

二歳差がもどかしい。

同い年だったら傍に立ててたのかもしれないのに。

でもね、全部断ったって聞くと安心する私は最低の鬼畜生だと思う。

そして今でもあなたのことが好きな人に言いたい。

「その人ね、私にプロポーズしてくれたんだよ?」

あなたが付き合うかどうか考えてる人がいるって聞いて、「ちゃんと考えてあげなよ?」
って言ったけど。

本当はこう言いたい。

「私じゃだめなんだね」

こうやって隣を歩いているのに。

小さい時から知ってるのに。

二歳差で、住む場所がちょっと遠くて。

それだけで私は見えなくなるんだね。

寂しいよ。

歩いている間に何度も触れた手。

あわてて引いた手を「静電気だよ」と言い訳する。

驚いた?

おっきくなったでしょ、私の手。

あの頃より、ずっとずっと。

ちょっと冷たいあなたの手にちゃんと触れられたのは、別れ際の改札。

私が電車に乗るまで、ずっと手を振ってくれた。

ありがとう。嬉しかったよ。


メールの電波に乗せて飛ばした言葉遊び。

あなたには分かるかな。























お願い。

分かって。