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むー(2さまへ (きのこより) |
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- ねえ、おぼえてる?
君が私に「なんで髪短いの?きのこみたい。」っていったの。 おぼえてないよね、
ほんとはね、私も他の子たちみたいに髪のばしてポニーテールとかやってみたい。 ずっと憧れだった。こんな私でなきゃさぞ可愛いかっただろうに。
ずっと、諦めてきたの。 私は背が小さいからあんまりのばすとやぼったくなるし、 みんな私を「ショートが似合うね。」っていうから。長い髪なんて私のキャラじゃない。どうせ似合わない。 そう思って諦めてたの。
それに、私は少しでもかるくなりたかった。 心がおもくてつぶれそうだったとき、髪を切ったらとっても頭がかるかったの。 頭と心はつながってるって本当だね。 心もかるくなってとっても自由に感じた。
ショートは私にとって元気にかけまわる自由な子のイメージなの。私はそういう子でありたかった。
だから髪はずっと短くしてた。
誰にも文句なんかいわせない。これは私が決めたこと。 ずっとそれを守ってきた。
なのに、君は何度もわたしにいったよね。 「どうして髪短いの?」 どうしてそんなこというの?
今まで誰一人だってこんなに言ってきた人いなかった。 私のことなにもしらないくせに、そういってやりたかった。
私は、そういえなかった自分がショックだった。 君に堂々と「私はショートがすきだから。」っていえなかった自分が信じられなかった。
君に問われて、私は初めて、ショートである自分を恥ずかしく思った。 あんなに誇らしかったのに、
それで、もう私の中に元気にかけまわる自由な子はいないんだと思った。 それに、思い出してしまった。
私は自分が嫌いだったんだ。
そこまで考えたところで、私の思考は停止した。急いで君から離れなくては。それだけを考え、君から逃げた。君の近くにいたら、間違いなく私は壊されてしまう。そう思った。
それからもう一つ、君は私の笑顔は気持ち悪い、ともいったね。 正直驚いた。君は私が能面を隠し持っていることをしっていたのかな。でもね、私は君に会うときは能面はもたないようにしてるんだ。
だから、君は知らないよね。 あれが、私の精一杯の笑顔だなんて。 心の弱い部分を君に突き刺されて、必死に耐えている笑顔だなんて君はしらないよね。
君はそんな私の傷を、さらに踏みにじったわけだけれども、 それでも君はなんにもしらないんだ。
だけど、ねえ君、人の心ってのは、ときに残酷だね。
だって君は、何の悪気もなくそれをいっただけだろうし、 私はそんな君がすきなんだから。
ねえ君、できるなら私は消えてなくなりたい。 この矛盾の境地であるこの世界から。
君はいきなりこんなことをいわれてとまどってるのかな。 でも、こんな私もいるんだよって知っといてほしかった。
たとえそれで、君が私を嫌いになろうとも。かまわない。
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