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一番上の先輩さまへ  (後輩のうちの一人より)
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先輩へ。

あなたのことが好きです。
初めてお会いした時から多分ずっと好きでした。

部活に見学に行ったあの日に初対面の私にとてもよくしてくださったこと。親身になってお話聞いてくださったこと、大学に入学したてで色々悩んでいた私に貴重なお話たくさん聞かせてくださったこと、先輩の方が目上の方だから私を待っている必要はなかったのに、私の分の料理が来るまで割り箸割らないで待っててくださったこと。あまりにも自然でさりげない気遣いに、気付いた瞬間ものすごくびっくりしました。そしてとても感動しました。初対面でしかも3つも年下の私に、こんなに誠実に接していただけるなんて思ってなかったんです。この人はいい人なんだなぁ、すごく優しい人なんだなぁと心がじんわりしました。

そして部活に入部してから今日まで、たくさん叱っていただいたこと。いつまで経っても何一つ上手くできない私に、それでもずっと厳しく指導し続けてくださったこと。悩んでいればご飯連れてってくださってお金を出してわざわざ時間を割いて、卒論でお忙しいのに、ずっとお話聞いてくださったこと。困った時にはいつでも助けてくださったこと。いつでも楽しませようとしてくださったこと。手加減なし容赦なしで限界ギリギリまで追い詰めるくせに、無理をしていないか、辛い思いをしていないかといつでも気にかけてくださっていたこと。先輩の厳しさは何よりの愛情でした。それが本当に嬉しかったです。先輩に叱られたことは数えきれないほどありますが、あなたが何かにイライラしたり言い訳したり、理不尽に怒っているのを見たことがありません。本当に尊敬しています。あなたみたいな強くて優しくてかっこいい先輩になりたい。こんな憧れ方をしたのは生まれて初めてです。そして、私にとってはあなたが初恋でした。

いつも帰り道、女の子の一人暮らしは危ないからとわざわざ家まで送ってくださる先輩。目的地に着くと早々に背中を向けてしまわれるので、ありがとうございましたと頭を下げてもあなたからは見えていないでしょうが、私がそう言った声に振り向かないまま片手を上げて反応を返してくださること、いつも本当に嬉しく思っています。そして去っていくその後ろ姿がかっこよすぎて、思わず見とれそうになりながら、でもじっと見続けているのが恥ずかしすぎて、逃げるようにマンションに入って、でもやっぱり外階段を登る時にはまだ先輩の姿が見えるんじゃないかと探してしまって。まぁ、いつも結局見えないんですけど。こんなことがもうあと数回かしかないと思うと、寂しくて切なくて泣き出しそうになります。本当は卒業しないでと言ってしまいたい。まだ傍にいてください。まだ置いていかないでください。でも、言ったってしょうがないので、あなたを困らせてしまうだけなので、大好きな人にそんなご迷惑おかけするのだけは絶対に嫌なので、死んでも言いません。

でも、たった一年間しか一緒にいられなかったのは、やっぱり悔しい。男同士だからって私よりたくさん先輩とお話できた同回生の男の子、いっこ上の先輩方、ずるい。ほんとにずるいです。私だってもっと先輩に笑ってほしかった。先輩の笑った顔が見たかった、私ではそれができなかったけど、それは私のせいだけど、わかってますけど、でも、ずるい。ほんとに大好きです。

だけど私があなたを好きなことを、今後も私はお伝えするつもりはありません。そんなことを言ってしまったら、先輩が今後私に対する指導をやりづらくなってしまうだろうことはわかっているつもりです。そして、部内でそんなことがあると全体の雰囲気が気まずくなってしまうことはわかってますから。あなたを困らせたくないんです。先輩が悲しい思いをされるのは本当に嫌なんです。できればいつでも笑っていてほしい。先輩は本当にお優しい方だから、私のことでこれ以上ご心配ご迷惑おかけしたくないんです。
この想いは墓場まで持っていくつもりです。だから、先輩はどうか晴れやかにご卒業してください。それまでに何も思い残すことがなくご卒業できるように、私も頑張りますから。先輩がいらっしゃらなくても大丈夫だと言えるように、少しでも上達するように頑張りますから。
そして願わくは、大切な人を見つけて、温かい家庭を築いてください。ずっと幸せでいてください。あなたがもし幸せでいてくださるなら、私は本当に幸せです。

かっこよくて、度胸があって、堂々としていて男らしくて社交的で、だけど細かなところまで敏感に気付いてくださって、優しすぎるんじゃないかってくらい優しくて、自分が辛くても大変でも忙しくても余裕と包容力をもって接してくださる先輩、そんなあなたが大好きでした。

あなたに出会えたことに心から感謝しています。
一年間、お世話になりました。