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ハトコのあの子さまへ  (愛花より)
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名前の漢字をどうしても思い出せず、ぼかした言い方でごまかしてしまいごめんなさい。

私があなたとはじめて出会ったのは、小学校3年の頃です。もう何もほとんど思い出せないけれど、あなたにとても仲良くしてもらって、とってもとっても楽しかった。けれど楽しかったのはそのわずかな時間だけでした。
2回目に会ったのは確か中学二年のとき。
あなたは私の弟とばかりしゃべったりして、私なんか、かやのそと…。
私は辛かった。心が泣いていたのを、必死で我慢した。
それから私たちは、一度も会っていません。
いえ、何度か会えるかもしれない機会があったけれど、ことごとく会えずに終わりました。
今となっては、私はあなたの顔も分かりません、声も知りません、いまどこで何をしていて、私のことをどう思っているのかも、分かりません……。

私は毎日死にたい気持ちでいます。
何の取り柄もない、ゴミのようなわたし、どうして20を過ぎてもまだ生きているのでしょう。
あなたのように、優秀で心優しい方が、誰からも好かれ生きているのなら、納得いきます。そんなあなたと私を比べて、心痛めて、本当に辛かった。
辛い辛い辛い、でも、私はそれ以上に、あなたに会いたくてたまらないの。
会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい、会いたいけど、毎日目を覚まして外を歩いても、あなたとばったり会えるはずもなく、私は毎日辛くて仕方ないのです。
こんなに会いたいって思ってるのに、あなたは自分の気持ちを教えてもくれない、私のことも忘れてるかもしれない、冷たすぎる。

でも、こうも思うのです。
私とあなた、やっぱり結ばれない方がいい。
私の血は汚れているから、あなたにはつりあわない。
親族同士、心の底で憎みあっているのも、深い雪のような氷点下の心の持ち主の方たちがたくさんいるのも、うすうすわかってます。
私には、背負うものが大きすぎます。
何度も手紙を送ろうと思いました。チョコレートも、上野で美味しそうなのを買って、私の気持ちを贈ろうとしました。でも、出来なかった。
そんなことすれば、壊れてしまいそうだったから。

けれど不思議です。私が思い浮かべるのは、冷たい世界も白い目も無く、心の底から愛し合い、美しい毎日に満たされ、二人寄りそう光景ばかり。
夢のまた夢でしかないことくらい、分かってる。
でも、わたしは、こんな風に、ただただ純粋にあなたと愛し合ってみたかった。
愛するひとがいるということがどういうことなのか、私には分からないから……。
これを書いているあいだ、ずっと涙が止まりません。
あなたには、ほんの少しも届かないのでしょうね。
でも、どうしても言わせてほしい。
ありがとう。
愛しています。