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お馬鹿さんさまへ (恋できない人より) |
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- 決して告白ではないよ。
君はお気に入りフォルダに入ってるうちの1人ってだけ。 お馬鹿さんで空気の読めない君は、他のみんなにいじられたり、馬鹿にされたり、呆れられたり。正直私も、呆れてしまうくらい君はお馬鹿さんなんだと思った。頼まれた仕事もできないお馬鹿さん。 そんな君の描く絵が好きだ。 君は「褒めすぎー」って笑ったけど、その瞬間私は君をめちゃくちゃ尊敬し始めた。 確かにどうしようもないお馬鹿さんだけど、君の描くスケッチの世界観が羨ましい。君は自由人で、私が欲しいものをたくさん持ってる。 そういえば君は、観葉植物が好きだって言ってたね。私も観葉植物が好きなんだ。 私も研究室ではスケッチ担当だし、君と一緒にプロジェクトもするだろうし、ちょっとした共通点が不思議な感じ。
あぁ、でも、君の顔は好きじゃないよ。ちょっと味が強すぎて、慣れるまでに時間かかりそうだ笑 それでも、新歓でカラオケに行ったあの日。注文するためにメニューを指差したら君は、ほっぺたくっつくくらい近づいたね。お酒も入ってたし気にしなかったけど、その瞬間だけすごくドキッとした。 それで、この間。あれもお酒入ってたね。 周りの他の同期が私を茶化したんだ。唐突だった。君の家に泊まれるかって聞かれた。 その同期は冗談ぶっ込む人だから、きっと他意など無かっただろう。でもさ、私、別になんにも気にしない。君のこと信じてるからさ、何もしないだろうって。 結局、そのネタは酒の席で冗談だとみんなで笑い飛ばして。 君は、「ねえ、付き合おうよ」って言ったけど、君はお馬鹿さんで冗談ばかり言う子だから。「冗談って分かってるよ」って言ったの。 「結構本気だぜ」って笑った君の顔が不思議と離れないんだ。
その後は好みのタイプとかしゃべりだしちゃって。ほれ見ろ、やっぱり冗談じゃないかって思ったけど。 お馬鹿な割りに私を気遣う君に、ほんの少しだけ惚れたのは、まだ内緒だ。
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