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実家が遠い君さまへ (恋できない人より) |
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- やっぱりおかしいよ。うん。
同じ研究室なのに、一週間に一回しか顔を合わさないってどういうことさ。 君がインドアで自由人で突然山登りに行っちゃったりバイトに勤しんでたり。うん、大丈夫、知ってる。 愚痴はここまでにするよ。
ネットでね、自分の気持ちをコントロールする術を獲得したんだ。 おかげで、君が愛しくて愛しくてたまらなくなっても、会えないことが寂しくなくなった。私は私でやるべきこと、やらねばならないことに専念することができた。そして、それを君に感謝することも。 嫌な偶然の話をしよう。ある講義中、不意に、ものすごく君に会いたくなった。 一週間以上も、(同じ研究室なのに!!)会えなかった君に、何故だかもの凄く会いたくなった。切なさだとか恋しさだとかは置いておいて、「あぁ、君の笑顔が見たい」と。 頭の中で君の横顔をスケッチしていたよ。君、女の私が羨ましくなるほど睫毛が綺麗なんだよね。 真っ黒くてツヤツヤした、形も長さも抜群に良い感じの君の睫毛。間近に見た時に見惚れたもんな。顔は相変わらず好みじゃないけど。最近イケメンフィルターかかってイケメンに見えるけど。 そんな君に、突然会いたくなった。 そして、その一時間後に研究室に君がいた。 思わずぽかんとしたね。「おるやん」って。 君は何でも無いような顔して……いや、相変わらず馬鹿みたいに笑って、「おぉー! ○○ちゃん!」って呼ぶ。私は「久しぶり」って返す。 にやける顔を噛み締めて抑えるのが、いかに難しかったか、君は知らないだろう! 一気に心が充電されたときの、この反動がいかに幸せか、君は知らないだろう! ああ、これで一週間君に会えなくても私は生きていけるよ!
あの日は君の隣で夕飯を食べること、君と二人で至近距離でお話ししたこと、色々素敵なことはあったが、まあそんな日もあると冷静に捉えた。 君は遠い遠い実家に帰っちゃって、金曜日からいない。火曜日まで帰らないだろう。 また、研究室に君がいない。 私はSNSの君を知らないし、連絡もまともに取ったことない。本当に想いを寄せるだけ。 寂しいかと聞かれたら、そりゃぁ寂しいさ。ここ何日も君の顔を頭の中でスケッチしてる。
でも、私もこのままじゃ駄目だ。君がやりたいことをやっているように、私もやりたいことをやろう。 そんで、君にまた会ったとき、「今何やってるの?」って聞かれても応えられるように準備しておこう。 あぁ、早く帰ってきて、そのお馬鹿で自由で素敵な笑顔を見せてくれ。
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