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生き急ぎの君さまへ  (恋できない人より)
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本当に君は馬鹿ですか。
どうして君ばかり事故に遭うのですか。
そしてどうして無傷なのですか。
全身打撲? 擦り傷? 原チャが大破?
どうだっていい。君が悪いのか相手が悪いのか、どうだっていい。
なんで交通事故に遭って、君は「またやっちゃったー」って笑うんだ。
「運が強いから」なんて、笑うなよ。
君は馬鹿だ。本当に馬鹿だ。死ななくて良かった。本当に生きていて良かった。
君がゼミに来なくて、嘆いていた私をぶん殴りたい。
君は大変な目に遭っていたんだって。あぁ、本当に、馬鹿だろ!

先輩が言っていた言葉に、私は全力で頷くよ。
「お前が死んだら『やっぱりやらかすと思った!』って言って、一晩中笑うよ。そして、次の日は一日中お前を思ってゼミ生皆で泣くよ」
って。
君は「笑わないでくださいよー」とか言ってたけど、ちゃうやんか。
皆、君のことを愛してるからそういう冗談を言うんだよ。
お願いだからさ、皆に愛されてる自覚を持って気をつけてよ。

珍しく私が食い気味に、君に私の自転車を貸すって勧めたのだって、これ以上君が危険な目に遭って死ぬ可能性を高めてほしくないからだ。
君は「またの機会に」なんてかわすけど、気をつけてくれないと許さない。
生きてて良かったって気持ちより、死ぬな馬鹿!の気持ちが強い。
本当に、もう、馬鹿野郎め。あー、馬鹿野郎。

君は言ったね、「君になら俺のものなんでも貸してあげる」って。
そのうち本気で君自身を借りてくぞ。
君にカクテル作ってもらって、一晩中私の愚痴に付き合ってもらうぞ。

本当に本当に、生き急ぎすぎ。
事故なんて簡単にするな、馬鹿。