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頼りにできない君さまへ  (恋できない人より)
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この一週間、不安感が強かった。
君に会えなかったから? 馬鹿な。君がちゃんと必要書類を用意しているかが心配だったんだ。
君と私を比べると、恐らく私の方が幾分真面目なんだろう。たぶん。
私もサボりたいし、遊びたいし、好きなことしていたい。
けど、君が心配だから、私がしっかりせんと!って思うわけさ。

君、どうして昨日は、ぼうっとしていたんだい。
私は必死にメモを取ってる中で、何もせずにぼうっとボスの話を聞いている君に憤慨していたんだよ。
君、約束したじゃないか。メモを取るのは苦手だから、お互い頑張ろうって。
後々、先輩たちが君のことをボロクソ言っていたぞ。君、そろそろ本気で怒られるよ。
私は多少のことであれば君をフォローする気でいた。君はちょっとお馬鹿さんで適当だから、いろんな人に誤解されるんだ。
でもその時ばかりは私も、君に幻滅していたよ。
きっと君は、バイトの時間をすごく気にしていたんだろうって分かってるけど…同じプロジェクトを進める仲間じゃないか…。
結局議事録、私一人で作ったよ。

でも、ほんと、私は君に甘い。
私の困りごとを、君は助けてくれたね。人を頼るのが苦手な私に、「俺がなんとかしておくよ!」って。
君と打ち合わせの電話をしたのが幸せで、変にテンパっていたなぁ。君の、少し掠れた少年みたいな高めの声が、好きなんだ。
あんなに憤慨して、幻滅して、ドン引きして、百年の恋も冷めるわ!って感じだったものを、君は短時間の電話で回復したんだ。
単純すぎる自分に呆れるよ。

夜中に学校に来ると言うことは、バイト終わりにやってくれるんだろうか。
私も実家に帰らなければ、夜中まで君を待っていただろうな。

ありがとう、頼りにできない君を頼りにしてるよ。
そして好きだ。お馬鹿で呆れた部分も君らしくて許せちゃうよ。
君以外だったらきっと、私は許さんけどな。
君だけだよ、だから、私の困りごとを早急に解決しておくれ!