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放っておけない君さまへ  (恋できない人より)
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旅行、楽しかったね。お疲れさま。
車中で君の隣に座れて嬉しかったよ。君は相変わらずひどい寝顔だったけどね。
私とおしゃべりしてくれてありがとう。色々と悩ましいことも聞いて、なんだかとても悩ましいけれど笑
お酒を飲んでフラフラの私を、車から守ってくれてありがとう。ぐいって肩を掴まれて、ドキッとしない女の子はいないだろうよ。
一緒に行動してくれてありがとう。君は、私にとって世話したくなるような可愛い可愛い人だよ。

先生から「こいつのお母さんみたい」って言われても、私は嬉しくないんだよ。
以心伝心だってしてないし、私は君のことをよく知らない。それに、私は君のためにも自分のためにもしっかりしないと、と思ってしていることが、いつの間にか君の世話係みたいな立ち位置になってしまっただけ。
私のことを、お母さんみたいに見ないでね。
可愛い君を、私は見守っていたいだけなんだ。

君が年上の彼氏持ちの女性と旅行行ったりデートしたりしているのは……悩ましいけど構わない。君にその気がないと分かったから。
私自身にまだ余裕があるから、「アタックしちゃえよ」って言えるんだよ。気付いて、くれないよな笑
でももしも、その女性が君に好意を抱いているのなら、私は全力で君を奪ってみせるからね。君がもしも、年上の勉強熱心なあの人を好きだと、そう言うのであれば応援するけれどさ。嫌々ながらもね。
ああ、悩ましい。嫉妬してないと言ったら嘘になるから、嫉妬してると言おう。私だけに、色んな君の気持ちを聞かせてほしいなんて、おこがましいにも程があるね。絶対にこれは君には言わない。ここだけの秘密。

君の感受性と豊かな感情と表現力に、私は惚れているよ。時々格好よくて、時々ひどく格好悪い君にも、私は心を奪われてる。
絶望しても、尊敬しても、腹立たしくても、どうしようもなくても、そんな君が丸ごと大好きだ。
あわよくば、恋人になりたいものだけれど、今はまだ、ゆっくりとゆっくりと仲良くなりたい。だって、私は君が好きなんだから。

次に会うときは、きっと格好よくイメチェンしているだろうね。
笑える髪型かな、惚れ惚れしちゃう髪型かな。後者なら、臆することなく言わせてもらうよ。
「やばい、惚れた」って。