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甘党さんさまへ (お嬢様より) |
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あなたはみんなに優しくて 強がりなんかじゃなくて、そんなところがわたしは好きでした。 でも気がづいたら、その優しさがわたしにだけ向けられていたらいいのにと思うようになっていました。
あなたはいつも内緒ですよ、と言って私の無茶なお願いをきいてくれました。 私との約束をなに一つ忘れたりせず、守ってくれました。 でもひとつだけ、守られることのなかった約束があります。 この約束はきっと、この先もずっと果たされることはないんでしょうね。
あなたが私のことを大勢の中の1人としか見ていないことなんてわかっていたくせに、特別だと言ってくれたことが嬉しくて、浮かれて、舞い上がって、自惚れていました。
私は自分が傷つくのが怖いです。 報われない恋ならしたくはないです。 だからもうすぐ私はあなたの前から消えます。 全部なかったことにします。 せめてそれまで、あと少しの間だけ、好きでいさせてください。
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