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父さまへ  (息子より)
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父さんが亡くなって8年目になろうとしています。

あの時中学二年生だった僕も、今やもう大学3年生です。
父さんが亡くなってから、姉ちゃんたちの影響もあり、僕は医療系の大学に進学しました…いや、みんなに励まされて進学することができました。来年は、とうとう4年生。実習頑張ります。
で、大学院に行きたいと思うようになりました。組織学、解剖学を極めたいのです。家族はみんな許してくれましたが、まあ、受かるかどうかが問題ですね。受からなかったら、普通に就職頑張ります。応援しててください。

母さんも弟もみんな元気です。でも、おじいちゃんの病気が少しづつだけど進行してきています。少し心配です。

弟は、専門学校?みたいな学校に行って、農業の勉強をしています。辛いことがたくさんあるそうですが、あの子なりに頑張っています。どうか、応援してやってください。

好きな人ができました。父さんも知ってるあの子です。普通の人とは少し違う恋愛になってしまうけど、これが僕の恋愛です。許してください。
友達もたくさんいます。みんな変わったやつらばっかりだけどいい子です。

あ、お酒が飲めます。少しだけですけどね。父さんに似て弱いです。

あなたがいなくなってから、たくさんの事がありました。
本当に、ここには書ききれないほどたくさんたくさんです。
たのしいこと、悲しいこと、苦しいこと、嬉しいこと…数えきれません。
でも、時々、ほんとに時々ですが、父さんの事を思い出す時があります。
近所のスーパーに行ったとき、車に乗っているとき、音楽を聴いたとき、空港に行ったとき、いろんな場面で父さんとの思い出がよみがえります。

…僕は父さんが亡くなってから、早く大人になりたいという気持ちでいっぱいだった。あなたのようにみんなを守れる強い大人になりたかった。でも、うまくなれなかった。あなたのようになれなかった。
助けてほしいときにいつもあなたはいない。一緒にいたいときにいつもあなたはいない。
なんで死んでしまったの?なんで死ぬのが父さんだったの?


ま、そんなこと言っても仕方ないか。泣いても叫んでも父さんが帰ってくることはないし。
あーもー敬語もだるいからやめる。
とりあえず、あと何十年かしたら僕も死にます。死ぬでしょう、人間だし。で、その時にあったら、5発…いや7発ぐらい殴らせろ。避けるな、攻撃を防ぐな、顔面を殴らせろ。それで許してやろう。そのあとは、僕の車の助手席に乗せてやる。行きたいところを言うがいい。連れて行ってやる。父さんは機械オタクだから、まあ、いろいろ話を聞いてやるよ。

僕がそっちに行くまでの人生、せいぜい楽しみます。いっぱい失敗して、いっぱい泣いて、いっぱい笑って、いっぱい成功して、父さんが羨ましがるくらいの充実した人生にしてやる。だから、安心しなさい。

親愛なる、くそデブ天パ親父 へ
あなたの最大の敵、そして最大の味方である息子 より