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二人のあなたさまへ (10歳の私と今の私より) |
- IP: 112.136.50.94
- ねぇ、聞いて?
もし、私があなたのことが好きだって言ったら、どうする? そしてそれが、5年前にもあったとしたら。
『10歳だった弱い私』と『10歳だったちょっと幼いあなた』。 好きだった。 初めて、本気で人のことを想った恋だった。 だけど、私は弱かったから。 ドキドキしちゃって上手く話せないし、中々分かってもらえなくてさ。 そんなに仲良くはなれなくて。 クラス替えであなたと別れた、10歳の私は泣いたんだ。 離ればなれの名前をみて、泣いた。 繋がりだった習い事も、あなたはやめてしまった。
私が女の子として、人間として、成長していく中。 10歳の弱い私は、あなたへの想いを抱えたまま置き去りになってた。
2年経って。 12歳の私は、違う人を好きになった。 12歳の私はこの人なら、幸せだと思った。
だけど、ダメだったみたい。
結局、何があったのかよくわからないままその恋は終わってた。 14歳の私には、あの人への思いなどこれっぽっちも残ってなくて。 そんな私の中で燻ってたのは、10歳の弱い私が今も抱え続ける、あなたへの思いだった。
中学校に入った私。 14歳になった私。
気づいたときには、また、好きになってた。 あなたの声も、目の光も、横顔も、相変わらず何でもできちゃうところも。 10歳の私が諦められなかったあなたが、私と同じ教室にいた。
二回目だよ。 あなたを好きになったのは。 どうしても、諦められなかったみたい。 「当たり前だ」って、あなたに話しかけるのすら戸惑ってた10歳の私が言ってるよ。
もしも叶うなら、あなたのそばにいたい。 もしも叶うなら、あなたに一番近い女の子になりたい。 もしも叶うなら、あなたに好きと言ってもらいたい。
けどもう、そこまでじゃなくていいかな。 あなたと同じクラスになって、毎日あなたが目に写った。 あなたと同じ委員会に入って、あなたとたくさん話せた。 二人っきりになったりもしたね。 あなたの隣にいることが、多くなった。
10歳の私が、『もう十分』って言ってる。 でも、15歳になる私はあなたのことが好きなの。 私は、あなたが好き。 5年前に、弱くて言えなかった10歳の私の分も、もう一回。
あなたのことが好きです。 そばにいさせてください。
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