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同期くんさまへ  (同期さんより)
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コロコロ好きな人変わるから書かなくてもいいかと思ったけれど、今この瞬間、私が気持ちを向けているのは君なので、忘れないうちに想いを綴ることにします。

まず始めに言い訳をさせてください。
本当は、私は一途に片想いをする人間なのですよ。
ただ、ね。こうなってしまったのは、一度、死すらも考えざるを得なかったどん底の地獄を見てしまったから。
きっと、あの最低な鬼畜以外にひどい男はいないと、私は知りました。
そうすると、誰も彼もが魅力的に見えてしまうようになってしまったのです。
あの男と別れてから好きになった人は、4人いました。私にとって一つ、学びになったのは最初の1人目。
その人は、私の投げやりな恋を「自己中心的だ」と鋭く指摘してくれたのです。あのときほどショックで、また感謝したこともないでしょう。
私は、自己中心的な恋を繰り返しているのです。
そして、君は5人目。
きっと、また、この気持ちは忘れてしまうのだろうから、今のうちに、感じられる気持ちを、思い出せる想い出を、綴らせてください。

長い前振りになってしまいましたね。
君は、社交的な男の子。初対面でびっくりしました。
明るい茶髪に左耳のピアス。なんてチャラチャラした子なんだろう、と敬遠しました。が、君はとても優しくて親切で、女1人の研究室で私のことをよく気にかけてくれましたね。
他の同期とのノリも良くて、よく馬鹿なことをしていましたね。
でも、本当は真面目で寂しがりで心配性で、子犬のような人だという印象を受けました。そのくせ、でっかいバイクをぶいぶい鳴らしていたり、機械に強かったり、男の子らしい男の子でした。

そりゃ、彼女もいるって納得しましたよ。

私は基本的に、彼女持ちの人は恋愛対象として見ることができません。そもそも、出会い始めの頃は、研究室で唯一彼女のいない男の子を好きになっていたのですから。
私があまり女の子らしくないからかなんなのか、それとも君の女慣れした余裕なのか、君はよく私と一緒にいましたね。
気にかけてくれて、家に来たがり、ご飯を一緒に食べて、遊んで。
兄弟愛みたいなものだと、思えれば良いのですが。
君が、膝枕をねだったことがありましたね。他の友達もいるというのに。
私はどうにでもなれと、君を膝枕しましたが、その安心しきった顔にやられました。
そしてすぐに思い出したのです。私は、研究室入りたての時、君の顔が、肩が、腕が、手が、好みだったと。
非常に安直だと思って忘れていました。
君は、君はどうして、彼女がいるのに平気で私の中にずかずか入ろうとするのでしょう。
そのくせ、不思議な距離感も感じて。

……兄弟愛、ですよね。
私は、私は……今だけは、君のことを好きでいたい。
そうしてその内忘れて、「そんなこともあったね」と言えたらいい。
きっと、就職先とか考えると一緒になることなどできない。
ましてや、君には彼女がいる。邪魔しようなんて思えない。

きっと、忘れられます。
だから、今だけは、好きでいさせてください。

好きです。君のことが。