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同期くんさまへ (同期さんより) |
- IP: 182.250.246.193
- コロコロ好きな人変わるから書かなくてもいいかと思ったけれど、今この瞬間、私が気持ちを向けているのは君なので、忘れないうちに想いを綴ることにします。
まず始めに言い訳をさせてください。 本当は、私は一途に片想いをする人間なのですよ。 ただ、ね。こうなってしまったのは、一度、死すらも考えざるを得なかったどん底の地獄を見てしまったから。 きっと、あの最低な鬼畜以外にひどい男はいないと、私は知りました。 そうすると、誰も彼もが魅力的に見えてしまうようになってしまったのです。 あの男と別れてから好きになった人は、4人いました。私にとって一つ、学びになったのは最初の1人目。 その人は、私の投げやりな恋を「自己中心的だ」と鋭く指摘してくれたのです。あのときほどショックで、また感謝したこともないでしょう。 私は、自己中心的な恋を繰り返しているのです。 そして、君は5人目。 きっと、また、この気持ちは忘れてしまうのだろうから、今のうちに、感じられる気持ちを、思い出せる想い出を、綴らせてください。
長い前振りになってしまいましたね。 君は、社交的な男の子。初対面でびっくりしました。 明るい茶髪に左耳のピアス。なんてチャラチャラした子なんだろう、と敬遠しました。が、君はとても優しくて親切で、女1人の研究室で私のことをよく気にかけてくれましたね。 他の同期とのノリも良くて、よく馬鹿なことをしていましたね。 でも、本当は真面目で寂しがりで心配性で、子犬のような人だという印象を受けました。そのくせ、でっかいバイクをぶいぶい鳴らしていたり、機械に強かったり、男の子らしい男の子でした。
そりゃ、彼女もいるって納得しましたよ。
私は基本的に、彼女持ちの人は恋愛対象として見ることができません。そもそも、出会い始めの頃は、研究室で唯一彼女のいない男の子を好きになっていたのですから。 私があまり女の子らしくないからかなんなのか、それとも君の女慣れした余裕なのか、君はよく私と一緒にいましたね。 気にかけてくれて、家に来たがり、ご飯を一緒に食べて、遊んで。 兄弟愛みたいなものだと、思えれば良いのですが。 君が、膝枕をねだったことがありましたね。他の友達もいるというのに。 私はどうにでもなれと、君を膝枕しましたが、その安心しきった顔にやられました。 そしてすぐに思い出したのです。私は、研究室入りたての時、君の顔が、肩が、腕が、手が、好みだったと。 非常に安直だと思って忘れていました。 君は、君はどうして、彼女がいるのに平気で私の中にずかずか入ろうとするのでしょう。 そのくせ、不思議な距離感も感じて。
……兄弟愛、ですよね。 私は、私は……今だけは、君のことを好きでいたい。 そうしてその内忘れて、「そんなこともあったね」と言えたらいい。 きっと、就職先とか考えると一緒になることなどできない。 ましてや、君には彼女がいる。邪魔しようなんて思えない。
きっと、忘れられます。 だから、今だけは、好きでいさせてください。
好きです。君のことが。
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