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笹雪さまへ (リラより) |
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黄金の日のいと輝かしき頃、 涼やかなる蒼き風にのせて。
突然のお便りで失礼致します。 この季節になると、毎年あなたの事を 思い出してしまうのです。 あなたへの想いを伝えたくて、 このお手紙をしたためました。
この6月は太陽の最も輝かしい季節。 そして、夏至の日はあなたの誕生日でしたね。 あなたと共に過ごしたあの日から、 もう7度目の夏になります。 きっとあなたは、あの時と違う新しい場所で、 新しい暮らしを営んでいる事でしょう。 そして、新しい人々と共に生きている事でしょう。 私の事など、露ほども覚えていらっしゃらないかも しれません。
でも、私は今も時々、あなたの事を思い出して 愛しい気持ちになるのです。 あなたの優しい瞳と、天使のような声を、 今でも覚えています。 そして、あなたと共に過ごした、 あの夢のような日々の事も。 あなたは、私の物語を、私の絵を、 美しいと言ってくださった。 そして、私の友でいてくださった。 あの頃の私は幸せでした。 あなたのような、優しい方に、そばにいていただけて。
ただ一つ悔やまれるのは、 あなたに愛を伝えられなかった事です。 あなたは、私の最も敬愛する先輩の、恋人だったから。 私には、あなたに愛を伝える勇気が無かったのです。 いずれにせよ、私があの方からあなたを奪う事は、 できなかったに違い無いでしょう。 それでも、あなたにこの気持ちを伝えておきたかった。 会えなくなる前に。
今からでも、この言葉があなたに届くなら、 聞いてください。
大好きです。 ずっとお慕いしておりました。 幸せな時間を、ありがとう。 きっともう会えないけれど、 これからもずっと、お慕いしております。
7年前の夏至の日に差し上げた緑の栞を、 まだお持ちでしょうか。 あれに書いた金の文字は、上のエルフの言葉で 次のように読みます。
ーエレナス・カルヴァ・ティエルヤンナ 「あなたの道を、星々が照らしますように」
私はきっと、もう日の当たる場所に生きる事は 無いでしょう。私は、あなたに相応しい男になれなかった。 ですがあなたはどうか、 光溢れる世界で幸せに生きてください。
今夜もあなたを想って眠ります。 大好きです。心優しい、真夏の夜の女王様。
北の空の下、紫の風薫る街より リラ
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