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Uさんさまへ  (Kより)
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6月30日が、さっきやっと終わりました。
あなたと友達になって、365日が経ちました。
友達一年記念日は、私にとっては、少し想像していたよりもずっと、いつもと何の変わりもない、ふつうの6月30日でした。


三ヶ月前、6月30日は何をしようかと、どう祝おうかと二人で話したことが、今日はじめてとても昔に感じられました。
ああ時が経ったんだなと、確かに時間は過ぎていくものなんだなと、あらためて実感した、そんな日でした。

私たちの友情というものは、三ヶ月ももたないほど、あまりにも脆くて、儚いものだったのかもしれません。
今まで私たちをそれとなく繋いでくれていた偶然というものは、お互いをおもう気持ちというものは、早いけれど、三ヶ月もたたないうちに、わたしの知らないうちに、こんなにも薄れ行ってしまっていたんだなとそう思いました。
…少し大袈裟な気もするけど。


本当は、
忘れたふりをして、あなたからの連絡をずっと待ってた。
何かあるなんてわからなかったのに、何もないかもしれないのに、わざわざ休みをとって、少しくらいは、この日を心待ちにしていました。

会おう なんて、言ってくれないかな 言ってくれないか
電話しようっていつもみたいに言ってくれないかな

なんて、
自分から連絡をするのが、とてもとても恥ずかしかった。とても怖かった。
あなたにどう思われるのか考えると怖くなって、自分が虚しくなるだけな気がして、いつも通り、自分から連絡するのはやめました。


てきとうに絵を描いて画像を送ろうかなとか、手紙を書こうかなとか、てきとうにLINEを送ろうかなとか、色々考えていたけど、全て自分が惨めになりそうなだけな気がしたので、やめました。

本当は、最近ではずっと
友達以上恋人未満の関係を続けながら、虚しさを感じていました。
あなたと関わるたびに。

どうして、わたしを彼女にしてくれないの?わたしじゃだめなの?

いつの間にか、あなたの都合の良いだけの女になっていく自分に嫌気がさして、ただただ虚しかった。


もう少しわたしがわたしでなかったのなら、
あなたはわたしに好きと言って、彼女になってほしいと、言ってくれたのかもしれませんね。


もう少し人間としてちゃんとしていれば、もう少し顔があなた好みなら、性格が可愛ければ。とかね。


確かにわたしはあなたの彼女になってみたかったけれど、
今は、これからは、今のわたしのことを好きだと言ってくれる、そんなひとの彼女になりたいと思っています。


今までわたしなりに、精一杯のアピールを、アプローチをしてきたつもりですが、あなたには何の効果もなかったのかもしれませんね。


好きな人でなければ、バレンタインにわざわざ届けに行ったりなんてしません。チョコではなくクッキーを渡したのは、わたしの得意なお菓子が、クッキーだったから。
本命のくせして、「感謝クッキー」なんてとってつけて、義理を装って、自分のことを守りたかった。ただ、傷付くのが怖かった。

「大好き」だと言えば、一番言いたい言葉を伝えたら、このクッキーが本命のクッキーなのだとわかってくれるんじゃないかと思って、迷ったけれど手紙を添えました。

それだけじゃ甘かったのかもしれません。

本当は、
あのクッキーが、義理なのかそうじゃないのか、
手紙に書いた大好きの意味が、友情なのかそうじゃないのか、わたしにきいてほしかった。

おそらく、あなたは風の妖精さんよりもずっと鈍感なひとです。


本当はもしかしたら、わたしの気持ちなんてとうの昔に知られていたのかもしれないなぁと、今思うとそんな気もしますが…。


酔っ払って電話がかかってきたとき、本当は、とっても嬉しかった。今から思えば、あの時こそただの都合の良いだけの存在に過ぎなかったような気がしますが、それでも、あの時のわたしは、とても嬉しかった。

あなたは、わたしがあなたに言ってほしい言葉を、たくさんくれましたね。

本当は、
今まで言ってくれた言葉は、たくさんくれるうちに、一番言ってほしい言葉ほど、ただただ悲しくなるだけでした。
言われるたびに、本当は、何一つも嬉しくなかった。


可愛いだとか、好きだとか、言ってほしい言葉をあまりにもサラッと簡単に言われるたびに、
「お前は好きな子なんかじゃないから」
「ただの友達だから」って、
言われていないのに、言われているような気がしていました。


ほしい言葉をたくさんくれたのに、
好きだとたくさん言ってくれたのに。
ごめんなさい。


この一年間、とても楽しかったです。
色んなはじめてがたくさんありました。

男子とLINEをしたのは、電話をしたのは、二人で遊びにでかけたのは、あなたがはじめてのひとです。
誕生日プレゼントを貰ったり、誕生日プレゼントをあげたり、バレンタインに渡しに行ったりしたのは、あなたがはじめてです。
男友達という特別な存在のあなたは、わたしにとって、あなたがはじめてのひとでした。

色んなはじめてをくれてありがとう。
色んな優しさを、色んなときめきをくれてありがとう。


この先、あなたへのこの気持ちも、あなたとの思い出も、あなたのことも、すべてが薄れ行ってしまうだけの日々を過ごしていくけれど、
それでも、それでも、これだけは忘れたくありません。


あなたと朝まで電話で話した記憶も、
あなたと二人で遊びに行ったことも、
楽しかった思い出と、気持ちを。

わたしは、あなたのことが好きでした。
あなたのことが、大好きでした。
ただのひとりの女として、あなたのことが好きでした。

あなたに寄り添って、
わたしの成長を一番近くでみていてほしかった。
あなたの変化を一番近くで知っていきたかった。

いつまでも変わらぬまま、
くだらないことで笑いあって、
二人で仲良くしていたいと、本気でそう思っていました。

LINEでどんどんあなたのトークが下に下がっていくたびに、
こんなくだらない小さなことだけで、
私たちの関係の脆さと、あなたの中の私の大きさが今どれくらいなのかを、とても感じました。
色んな人に、色んなことに、どんどん押しやられていっているんだなぁと感じました。

きっとそれは多分、お互い様で。


だからこそ
おそらく今日は、別れの日なのだろうなと思います。
二人にとって、少なからず、昨日を過ぎた私にとっては、はじまりの日です。

わたしがあなたと同じ男であったなら、もう少し適度な距離のまま、これからもずっと友達でいられたのかもしれませんね。


うめがきさん、

今まで、ありがとう。
本当にありがとう。
ごめん。
ありがとう。


お互い、幸せになれるといいね。



バイバイ


Aより