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姫さまへ  (moeより)
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ねえ、姫。
今年の冬はあったかいね。
雪が全然降らなくて、
君と過ごした季節なのに、そんな気がしないね。

あれからもう、二年も経つみたいだよ。
あっという間だったなあ。
姫はどうだった?
わたしは本当に、
君のいない冬が二度目とは思えないくらいに、
毎日があっという間に通り過ぎていってしまったよ。

姫とのことで、後悔することが沢山あります。
わたしが我儘言わなかったら、
姫は今と違った未来を生きていたんじゃないかなと、
最近たまに考えるよ。
わたしは、
姫には本当に幸せになってほしくて、
それなのに、やっぱり上手くいかないものだね。
あの時、
姫のお願いを聞いていたら、
何か変わってたのかなあとも思っているよ。

わたしは、
冬がくる度に、
わたしの隣で歩く君を想像しています。

君は手汗が酷いから手は繋げないんだなんて、
恥ずかしそうに笑ってたっけ。

わたし、
ずっと言いたかったことがあります。
ずっと嘘ついててごめんね。
本当はわたし、
今もまだ君の隣にいたいと思ってるよ。

だけどね、
君が何回わたしに好きだって伝えてくれても、
わたしは君の気持ちには応えられないよ。
君ともう一回上手くいかなかったら、
もう二度と、
こうやって馬鹿みたいに話せなくなるような気がするんだよね。
っていうのは建前で、
姫とわたしは、
あんまりにも行く道が違いすぎちゃったよ。
姫についてきてってお願いしたのは、
本当に本当に、
姫の隣でまだ笑っていたかったからだよ。
それでも君が無理だというなら、
わたしは、姫との思い出を振り切って、
新しい場所に向かわなくちゃいけないよね。

いろんな面倒くさい感情を全部抜きにしても、
わたしは姫に会いたくてたまりません。

逆に離れるのが辛くなるとしても、
わたしはやっぱり姫に会いたいよ。

姫の声が聞きたいよ。

わたしに彼ができないのは、
君よりも素敵な男の子に今まで出会ったことがないからだよ。

最悪のことしてるって分かってるけど、
このまま君とちゃんとお別れしないで、
わたしは本気でここから出て行くことができないよ。


ねえ、姫。
わたしもう、このまま静かにさよならした方がいい?