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姫さまへ  (memeより)
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本当はずっと、君のこと好きだったよ。
ずっと。
あれからもずっと。

でももう、さようならしないとね。

二年間も、巻き込んでしまってごめんね。

絶対に幸せになってね。
わたしもきっと、どこかで幸せになるから。

君からの連絡はもう返さないし、
君に新しいアドレスは教えないよ。

古いアドレスは、
君のメールが返ってきちゃうだけだから、
もう捨ててね。
わたしも、君のアドレス、捨てておくね。

本当にごめんね。
また手に入れにいく勇気も、
手放す勇気も出なかったわたしを許してね。

次、来年また桜の花が咲く頃には、
わたしはもうこの町にはいないから。
君とのお別れが、一年早くなっただけのこと。

そしたらもう、
わたし、この町には帰ってこないんだろうな。

だから明日で、本当にお別れ。

君も世界を旅して歩くなら、
いつか、この広い世界のどこかで、
また会えるかもね。

そしたら、殴ってもいいよ。
怒ったっていいよ。
わたしも殴るけど。

だから、止めないでね。


たくさん約束したのに、
破ったのは全部わたしで。
それなのにいつも君は謝ってたね。
わたしのこと、そんなに好きだった?
わたし、幸せ者だなあ。

ああ、そういえば一度、
君も破ったっけね。
でもあれきりだよね。

怒ってないけど、
わたしたち上手くいかなかったのは、
君があの約束、
破ったせいなんだからね!
ちょっとは反省してよね。


君に怒りたいことはたくさんあったのに、
何だかもう全部、
どうでもよくなっちゃった。


あの日、
君に会えなかったのは、
君の前で泣きたくなかったからだよ。

君が大好きだったよ。
大好きだった。
大好きだよ。

うざったくって、面倒くさくて、
気分屋で、
人のことばっかり認めて、
自分のことなんかいつもてきとうで、
中途半端で、
妙に変態くさくって、
大っ嫌いで、

大好きだった。

追いかけてきてくれたら、
わたしは君の手をきっと掴めるけど、
掴んでしまうけど、
君はそうしないって知ってるから、
ここでお別れ。

君との思い出はこの町に置いていくよ。
だから残りの一年は、
君と過ごした日を抱き締めて過ごしてもいいかな。


あのさ、ちゃんと卒業しなよ。
それからさ、ちゃんと自分の足で生きていきなね。

君のこと愛してくれる人は、
この先の未来できっとたくさん待ってるよ。
わたしにも、きっとその人がいるから。
君みたいに、わたしを大切にしてくれる人が。
だから君がいなくても、遠くまで走っていけるよ。

いつか、君に話した夢が叶ったら、
この町に戻って来ようかなあ。

そうしたら、
また君に会いたいな。

北極の空から見た世界は、
きっと、もっと、ずっと、
広くて大きくて、
君が生きていても生きていなくても、
わたしがいてもいなくても、
全然変わらないんだって教えてくれるよ。

その話をした次の日、
君が生きる世界が、
もう少しだけ、君のために輝いたらいいな。


さようなら。
今まで本当にありがとう。
さみしくなったら、空を見上げてね。
わたしも、その下にいるから。