新しい命と新しい国、そして船中九策の誕生
仁の第8話を見終わりました。 ぐったりです。放心状態です。 ドラマでこんなに疲れるなんて。
10才の頃、吉原に売られた野風。
そこがどんな所かわかった時、髪を剃り逃げ出した野風。だけど、彼女に帰る場所はどこにもありませんでした。
金で身体を買われ、好きでもない男達に何度も抱かれ、やっと花魁という地位に登りつめ、自分で男を選べるようになったけど、吉原という籠の中から出ることはやはり許されません。
好きな人ができても思いを伝えることはできず、会いに行きたくても会いに行くこともできず、慕っていた姉さん(先輩)は梅毒で死に、いつか自分も同じような死を迎えるかもしれなくて、野風の未来には絶望と諦めしかありませんでした。
最初は仁先生を助けるためでした。ルロンさんに出会い、心から愛され大切にされ、授かった命。そしてその命は、自分が愛した人が未来で一緒になる人に繋がっているかもしれない。我が子には、自分にはできなかった普通の暮らしを、普通の恋愛をさせてあげたい。だから絶対に生みたい。たとえ自分が死んでも絶対に守りたい。そんな野風の思いが痛いほど伝わってきたから。だから、
「どうかあちきの夢を奪わないでくんなんし!」 と野風が泣き叫ぶときは、息ができなくなるほど泣いてしまいました。 中谷美紀、凄すぎるでありんすよ。 (ちなみに日本初の帝王切開も麻酔なしだったそうです)
咲ちゃんも凄かったなぁ。強くて優しくて可愛くて。 全然真っ黒じゃないよね? 真っ黒な人間はあんな風に赤ちゃんにお願いしたりしません。
あなたはね、私の恋敵をおつくりになる方なのですよ。 私としたことが、大変な方を取り上げてしまいました。 あなたに、一つだけお願いがあるのでございますよ。 どうか、南方仁という方に、傷つくことが多いあの方に、 今度は誰よりも幸せな未来を与えて差し上げてください。
えーん。泣。 どうしてそんな風に人を愛せるの? 見返りを求めないのは野風だけじゃない咲ちゃんも同じじゃない。
咲ちゃんにこそ幸せな未来を与えてあげたい。 でも、仁先生は未来に戻りそうな感じがするのよね。 せめて未来に咲ちゃんそっくりさんでもいれば救われるのに。
『船中九策』にも感動しました。
史実は『船中八策』です。冒頭で『九』の文字を龍馬が書いていたとき、「なぜ?なぜ?」と頭の中は「?マーク」でいっぱいだったのに、《野風が生む新しい命》と《大政奉還によって生まれる新しい国》を交互に見せられ、その迫力に圧倒され、『船中九策』のことはすっかり忘れていました。
最後の最後の忘れた頃に『船中九策』が再び登場。来週は龍馬暗殺かぁ〜とすでに終わったつもりでいたのに、仁先生が9項目を朗読。「皆が等しく必要なる医療を受けられ健やかに暮らせる保険なる仕組みをつくること」。なんと仁先生が龍馬に教えた皆保険制度のことではないですか。この時代にいるはずのない仁先生の足跡がこんなところに刻まれるなんて・・・。いろんなことが繋がり、またしても涙腺決壊。まったく想像してなかったからヤられました。最後までお見事でありんしたよ。
仁に出てくる役者さんはみな演技が上手です。どの役者さんも輝いています。西郷隆盛なんて生まれ変わりかと思うほど私のイメージにピッタリです。内野君の坂本龍馬も他の人じゃ考えられないほど私の中ではナンバーワンです。龍馬は暗殺されちゃうのかなぁ。人はいつか死ぬんだけど歴史の修正力に勝ってもらいたいです。
上の写真はセブンイレブンで買った「橘家の揚げ出し豆腐」。ちょっと味が濃かったけどおいしかったよ。安藤名津と橘家のお弁当は売り切れでした。残念!
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