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吉田修一「7月24日通り」の読書感想文

●読書感想文
7月24日通り
著者:吉田修一
発売:2004/12/21

この小説はめいちゃんに教えてもらいました。

読書前にめいちゃんから頂いた情報その1。
『本当に、「悪人」を書いた吉田修一さんの作品なの〜』
読書後の私、
『ホントホント同じ人が書いた小説とは思えな〜い』と納得。

読書前にめいちゃんから頂いた情報その2。
『恋愛の主人公になれない女の子の葛藤を描いた小説です』
読書後の私、『上手にまとめるなぁ』と感心。

それなりに修羅場はあったけど全体的に爽やかな小説でした。
なんせドロドロの「八日目の蝉」を読んだ後だったから、
余計ね、可愛らしく思えました。

以前、教育テレビで女性脚本家(大石静×中園ミホ×田渕久美子)の対談が放送されていて、その対談中、3人が口を揃えて「男性脚本家が書く女性ってファンタジーよねぇ。実際の女性はあんなこと言わない」と熱弁していたんだけど、「八日目の蝉」と「7月24日通り」を読み終わり、その対談を思い出しました。たしかに、《女性の作家が書く女性》と《男性の作家が書く女性》は違う。その逆もまた真なり。

主人公は、地元の短大を出て、地元の企業に就職し、
実家で暮らす独身女性。
私とは真逆。
故郷から遠く離れて暮らす私とは真逆の人生。

私は高校2年生まで地元志向でした。東京や大阪のような大都会は旅行で行くところであって、田舎者の私なんか住む所じゃないと思っていました。地元の大学を卒業して、地元の企業に就職して、地元で恋して結婚して、死ぬまでここで暮らしていくんだと思っていました。なのに、今や大都会のど真ん中で暮らしています。かれこれ○○年も大都会に住んでいるのに、未だに分不相応な場所で暮らしている感が抜けません。なのでどちらかというとネーミングなんてしなくても、いつもリスボンで暮らしている感じ。

自分の人生を振り返ると、これまた主人公とは真逆で冒険だらけ。友達からは一応「強いよね」というような誉め言葉はもらうけど、同じように心配もされるので、きっと呆れているんだと思う。もし、最初の人生設計通り地元で暮らしていたら、私も平凡な人生を送れていたかしら。でも、たぶん、主人公と同じようなコンプレックスを持つんだろうな。そして、きっと無難な道を選んできたことに嫌気がさし、エイっと冒険がしたくなるんだろうな。

主人公は高校時代に憧れていた男性と再会します。実は私も再会済みです。不思議なもので両思いだった人とは会いたくないんだよね。片思いだったり、私のことを振った人に会いたくなるの。不完全燃焼だったからなのかなぁ。

人生で片思いは一度きりです。
その人と12年振りに再会しました。
会って良かったのは満足できたこと。
つまり、もう完全に終わった恋なんだとハッキリわかったことです。
過去は美化されるって本当ね。
どうして好きだったのか謎すら感じました。
美しい思い出は美しいままにしておけばよかったなぁ
とちょっぴり後悔した再会でした。

小説の話に戻りますが、ちょっと不完全燃焼。だって、面白くなりそうなところで終わるんだもん。気になるじゃない。子どもを産むのか、亜希子が絡んでくるのか。でも、この小説のコンセプトは自分を変えることだもんね。そういうドロドロは本筋ではないんだよね。

追伸.途中まで梅木さんと同じく小百合と安藤さんは不倫していると思ってました(笑)

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