決戦は日曜日。両親への結婚挨拶マニュアル
ついに最終決戦(?)の日が決まり、彼も 「心の準備はできております!!」 ということだったのですが、前日の電話で
「ねえねえ、本題に入るときってソファから立ち上がったほうがいい?」
という不思議な質問(?_?)へ?
どうやら結婚情報誌に 「これで完璧!両親への挨拶マニュアル!」 というのが載っていて、それを読んでしまったら段々疑問が出てきたそうで。。。。
とりあえず、私が 「ソファから立たなくていいよ。でも、いきなり床に座り直して土下座ってのも変だよね。 最初から床に座っとく? ただ、まあ言い出すタイミング逃すといけないから、 早めに本題に入ったほうがいいかもね。」 というと、 「そうだね。そうだよね。うんうん。大丈夫大丈夫。」 と自分に言い聞かせるように、呟いていました。
そして迎えた2007年1月28日(日曜日)
前回挨拶に来たときよりは幾分緊張感は少なめでしたが、やっぱりどこか緊張した面持ちの彼。 前回は私が世話を焼きすぎ助け舟を出しすぎたので、今回はあまり口を出さないようにしようと思っていたので、背中をポンと叩き、 「がんばっていこ〜!!!」 と笑顔で励ましました。
「大事なお話しがあるので」 ということで、ソファではなく、2人で床に正座しました。 (なぜか母も「じゃあ、私も正座しとこうかしら。」と一緒に正座。)
「今日はお忙しいところ、わざわざお時間をさいていただいてありがとうございます。 今日伺ったのは既にご察しのことと思いますが・・・」 と彼が話し出し、さあ、本題!と思ったのですが、
「えーさとこさんとは約3年前からお付き合いさせていただいていて、 結構早い段階から2人でいずれは結婚したいというようなことを話していました。 で、本格的に2人で結婚に対して考えが進みだしたのが・・・」
ておーい!なんでここまでの伏線を今ここで語る!? 長いぞ!!!Σ(0Д0")
隣で私は笑えてきました。母も同じ気持ちだったようですが、笑いそうなのをこらえつつ彼の話をうなづきながら聞いていました。
「ということで、さとこさんと結婚させていただきたいのです。」
と彼の話が終了し、しばらくして父がゆーっくりと口を開きました。
「あのーーーーーーーうん。さとこはね、こう見えて(どう見えて!?)体が弱い。 小さい頃から病院にお世話になることが多かった。 今でこそ元気だけど、元々が丈夫で強いわけじゃないと思うんだ。 無理ができないし、させてほしくもない。 だから、君と一緒に北海道に帰って暮らすことはできないかもしれない。 子供だって産めないかもしれない。 そうなったとき。君はどうだろう?君のご両親はどう思うだろう? ・・(言葉は続く)・・・」 て父も長いんですけど〜〜〜〜!!!!! でも、父の言葉を聞いているうちに、自分がいかに親に心配をかけ、守られ、大事にされてきたのか。 親の愛の深さや大きさが胸に染みてきて、涙がにじんできました。 (そんな私の顔を見て、父も涙目。)
話が長くなり、父自身話がまとまらなくなってきて、母にSOS。
母が口を開いた瞬間、それまでしんみりとしていた空気が一気に明るくなりました。
「まあね!お父さんは色々言ったけど、親の願いはね、さとこの体のことを理解して、 さとこの健康と笑顔と未来と可能性を大事にして欲しいってことだけ。
それだけなのよ!
できるよね?(彼の目をじっと見つめる母)
できるよね!?(彼深くうなづく)
うん!じゃあ!はい!決まり!
おめでとうございまぁぁす!!!」
そして、姉とともに大きな拍手をくれました。 このとき初めて母に「おめでとう。」と言ってもらえたので、それにまた感動してしまいました。
父は 「え〜!?決まりなの〜?」 という顔をしていましたが、母に 「もうね!ごちゃごちゃ言っても、28歳の2人がそれなりに考えて決めてんだから、何を言ってもムダよ!」 と言われ、ちょっと寂しそうな顔をしていました。
彼と2人「ありがとうございます。」と頭を下げ、しびれた足をひきづりながらソファに座り、みんなで結納とか結婚式とか結婚の時期とか、これからのことを話しました。
父が長々と話した言葉はすべて、35年前に祖父つまり母の父に言われた言葉だったそうです。 いつか娘の相手に同じことを言うのが父のひそかな夢だったらしく、 「まあ、よく考えて出直してらっしゃい。」 とも本当は言いたかったらしいのですが、その夢は母の一言によってあえなく散ってしまったそうです。父残念!
この日は、大きな山を乗り越えた達成感や安心感の方が大きく、結婚できるんだという喜びは感じられなかったのでありました。
さとこの結婚体験談9月6日
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