運命の人
彼に振られてしまったとはいえ、サルサの練習では顔を合わせる仲の私たち。 そもそも何も期待しないと誓ってはじまった関係だし、お互い大人だからその後も普通に過ごしました。
私の心は傷んでいたけど、「3年後見てろよ〜〜〜〜」と心の中で思うようにしていました。 まだまだ?若かったし、気持ちを切り替えていろんな人に目を向けようとも心がけました。
今思い出すと、人生で一番悲しい気持ちで始まった夏だけど、終わってみたら一番楽しい夏だった気がします。 友達とたくさん遊んだし、一人の時間も思い切り楽しみました。 とにかく外に出て、たくさんの人に出会いました。 サルサでフジロックフェスにも出たし、やりたいことに挑戦した夏。
私を好きになってくれる人もいたし、私にも惹かれる人が出来ました。
そんな最高の夏をがむしゃらに走り抜けたけど、気づけばいつも近くにモリさんがいました。
楽しい夏だったけど、日々落ち込むこともありました。 社会人1年目で、仕事もなかなかうまくいかなかったし、恋愛も結局その後もうまくいかなくて落ち込むこともしばしば。
そんな時、よくモリさんが飲みに誘ってくれたものでした。(私はお酒が全然飲めないけど、話しを聞いてくれました。) 彼女がいるのにこんな優しくして、やっぱり最低な男だな!って思っていたけど、やっぱり憎めない人でした。
そんな夏が終わり、秋になったある日。
恵比寿のイベントにサルサダンサーとして出演することに。
チームメンバーとして私とモリさんも出ることが決まりました。 しかも1曲は、私とモリさんがペアで、師匠ペアと2ペアだけで踊る場面がありました。
実はしっかりモリさんとペアで踊るのはこれがはじめて。 身長差もあり全く息が合わないふたり・・・
猛特訓の自主練がはじまりました。
モリさんは数少ない男性ダンサーの中でも特に期待されていて、先生からも厳しい言葉が・・・ 落ち込んでいるレッスン後のモリさんを、私が飲みに誘うこともありました。
モリさんへの気持ちはどこか吹っ切れていました。 たぶん、振られてしまったけど、人として尊敬できて、大好きな人には変わりなかったからだと思います。
だから、彼が落ち込んでいたら励ましたかったし、一緒に練習を重ねて、いいパフォーマンスを作りたかった、ただその気持ちだけでした。
そんなある日、自主練習の後、車で私をうちに届けてくれたモリさん。 車を降りようとしたら、「今日はうちに来ないか」と誘ってきました。
私は、「彼女を大事にしてあげなよ」と答えました。
彼がなんとなく彼女とうまくいっていないのは知っていたけど、もう私も冷静になっていました。
「もう答えは出てる。 えりなが好きだ。一緒にいてほしい。」
ここでこの言葉を振りきって自宅に帰ったらどうなるんだろう。 このまま彼に着いていったらどうなるんだろう。
いろんな想いが一瞬で頭のなかを巡りました。
でも、よく考えたら彼が私を好きと口にしてくれたのはこれが初めてでした。
ここで彼のもとに行かなくて後悔するなら、本能のままに動いて後悔したほうがいい。 天罰がくらってもいい。
覚悟は出来ていました。
また裏切られるかもしれない。 でも、今回だけは信じてみよう。
そう思ったら、冷静だったはずの気持ちが溢れ出てきていました。
やっぱりこの人が運命の人に違いない。
彼の胸に飛び込みました。
えりなの結婚体験談12月22日
|