コロンビア大学の白熱教室がおもしろかったです。テーマは「選択」。
講義してくれたのは、 盲目の女性教授(シーナ・アイエンガー)。
彼女の両親はインド系の移民。3才の時、眼の病気を患い、高校に上がる頃、視力を失ったそうです。話が面白くて聞き入っていたからか、目が見えないと言われるまで気づきませんでした。上品で可愛らしい女性。先生の人柄がいい。
私が見たのは第2回。 おもしろいから第3回からも録画しました。
シーナ先生は京都で緑茶を注文しました。先生は甘い物が好きなので「お砂糖をください」とウェイターにお願いしました。ウェイターは「緑茶には砂糖を入れないんです」と先生を説得しました。日本人が緑茶に砂糖を入れないことは知っていたけど、シーナ先生は砂糖が欲しいので「砂糖が欲しい」と再び要求。困ったウェイターは店長と相談します。そして「砂糖はありません」と断ります。
諦めたシーナ先生はコーヒーを注文します。すると同じウェイターが砂糖を乗せたコーヒーを運んできたそうです。。。。。ありえそうで笑っちゃいました(笑)。シーナ先生は、アメリカ人は、金を払うんだから客の要求は通って当然だと考えるが、日本人は、文化を知らない外国人を正しく導き、恥をかかなように気遣う民族なのだと解釈されていました。
文化の違いについては、7歳〜9歳の子どもで調査。どんな調査かというと、《アジア系アメリカ人》《アングロサクソン系アメリカ人》のグループに子どもをわけ、誰から指示されると成績がよいか調べていました。
【1】自分たちで選ぶ場合 【2】見知らぬ先生から指示される場合 【3】母親からの指示を伝えられる場合
《アングロサクソン系アメリカ人》は、 【1】自分たちで選ぶ場合が、すぱ抜けて成績が良く、 《アジア系アメリカ人》は、 【3】母親からの指示を伝えられる場合が、圧倒的に良かったです。
しかも、【2】見知らぬ先生から指示されたとき、 《アングロサクソン系アメリカ人》は、「ママったら」と文句を言い、 《アジア系アメリカ人》の中には、「ママにすごく頑張ってたと言ってね」 と見知らぬ先生にお願いをした少女もいたそうです(笑)
親の目が気になるのは、アジア系の特徴なんだね。 子どもの頃、《親が全て》なのは万国共通だと思ってましたが、 アメリカ人は物心ついたときから自分で選ぶみたい。
でもね、 《アメリカの学生》と《日本の学生》に全く同じ生活をさせたの。 そして「今日いくつ選択しましたか?」と質問したの。
すると、全く同じ生活をしたのに、アメリカの学生は日本の学生より1.5倍も選択の回数が多かったのです。どこで違いができるかというと、例えば、アメリカ人の学生は、歯磨きや目覚まし時計のボタンを押すことも選択に入れていたけど、日本の学生はそのような日常的なことは選択に全く入れてなかったそうです。こんなところにも文化による違いがあるんだね。
シティバンクも「選択」について調査していました。調査した結果、アメリカ人は選択することが多ければ多いほどモチベーションが上がるのに対し、日本人は選択肢が増えると「自分は理解されてない」とネガティブに考えモチベーションは下がるそうです。面白いのがラテンアメリカ人。選択の多さ少なさは関係なく、誉めるとモチベーションが上がるんだって。陽気はいいね。
うる覚えなので、多少違うかもしれないけど、こんな感じの講義でした。長くなるので省略したけど、福島原発事故で不眠不休で働き放射能から逃げなかった「フクシマ50」の話、ベルリンの壁が崩壊してからのドイツ人の話、モスクワの学生に炭酸飲料を見せたときの話なども面白かったです。
最後にインド人の結婚観。 75%が見合い結婚のインド。アメリカ人の学生は「親が決めるなんて」と驚いていましたが、インドでは恋愛結婚の離婚率が50%に対し、見合い結婚の離婚率は5%。幸福度調査でも、見合い結婚は年々幸福感がアップするのに対し、恋愛結婚は結婚したときがピークで、その後は低下するだけでした。
日本も昔は多かった見合い結婚。日本でも見合い結婚は離婚率が低いそうです。恋愛結婚と見合い結婚は、そもそも結婚に対する価値観が違うんだと思う。いつまでも恋人のようにドキドキしたいと願う結婚は危険なんだろうな。
人生は「選択」の連続。「選択」も突き詰めると奥深いです。
4月8日【テレビ】気になったもん |