99歳の詩人柴田トヨ「くじけないで」貯金
写真の「じけないで」は99歳の詩人・柴田トヨさんの詩集です。
トヨさんが詩を書き始めたのは92歳のとき。長男から奨められ詩を書き始め、産経新聞に投稿していました。「くじけないで」はそれらの詩をまとめた詩集です。
有名な詩人でも3千部売れれば成功と言われている世界で、53万部も売れているそうです。新聞で紹介されていたときから気になっていたのですが、いつのまにか大ベストセラー詩人になられていました。
92歳でデビュー!だけでも驚くパワーなのに、最初は自費出版で詩集を出したというからこれまた驚きのパワー。年齢のせいであきらめちゃいけない!いくつになっても始められる!ことを身を持って教えてくれる素敵な99歳の詩人です。
詩集は30分もあれば読めます。でも深いです。 時間をかけて読めば気づくことがたくさん見つかります。
ただ、私の場合、詩集を読む前のほうが元気をもらえました。詩集を読んだ後は、切ない気持ちに。トヨさんの詩集を読んでると、彼女の詩に未来を見たり、彼女の言葉に共感するより、トヨさんの過去に思いを馳せていました。
明治、大正、昭和、平成を経験したトヨさん。私が切なくなったのはトヨさんが私の祖母と同世代だからでしょうか。若い頃は苦労された世代だから、その苦労を思うと、泣き言なんて言ってたらダメだ、もっとちゃんとしよう、トヨさんのパワーをあやかり、周りの人を大事にしよう、やさしさをたくさんあげたい。そういう気持ちになりました。
先日、NHKでも紹介されていました。 番組では私が好きな詩も紹介されていたので一部を引用します。
「秘密」
私ね 死にたいって 思ったことが 何度もあったの でも 詩を作り始めて 多くの人に励まされ 今はもう 泣き言は言わない
九十八歳でも 恋はするのよ 夢だってみるの 雲にだって乗りたいわ
「貯金」 私ね 人から やさしさを貰ったら 心に貯金しておくの さびしくなった時は それを引き出して 元気になる
あなたも 今から積んでおきなさい 年金より いいわよ
トヨさん、ありがとうございます。
ちょっぴりネタバレあり本の感想
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