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小説「悪人」光代はストックホルム症候群?

「悪人」を読み終わって1週間。

しばらくもやもやしとったとですよ。やっともやもやが落ち着いてきたとですよ。

第四章までは、きっと読み終わったら、もっと切なか気持ちになって、もっと気持ちを引きずるだろうと思っていたのですが、読み終わると、なんでかなぁ、なんでかなぁ、なんでかなぁでいっぱい。

ネタバレしなかように感想を書くのは難しいんだけど、裕一が手をかけたときが、切なさの頂点でした。「もういいよ」と涙がぽろぽろ溢れてきたのに・・・なんでかなぁ。

金子美保の「被害者」の語りがあるからまだ救われるけど、なんだかなぁ。

私までマインドコントロールが解けた感じ。
これが「ストックホルム症候群」というやつなんでしょうか?

悪人を読みながら、いろんな「もし」について考えました。もし増尾が公園にいなければ・・・、もし佳乃が餃子を食べてなかったら・・・、でも、一番考えた「もし」は、もっと早く佑一と光代が出会っていたら・・・ということ。

人は人によって癒される。どうしようもない親の元に生まれてきたとしても、その後の出会いで人は立ち直れると私は信じてます。だから佑一も・・・。でも、でもね、「もし」事件がなかったら、ふたりはあんなに愛し合わなかったようにも思うの。事件があったからあんなに惹かれあった気がします。

なんかさ、もやもやするけど、小説は面白かったですよ。

基本的に三人称で語られる小説なんだけど、所々で被害者の家族や友人、犯人の家族や知人が一人称で自分の思いの丈を語り、それによって犯人や取り巻く人達が、悪人に見えたり善人に見えたり混乱してくるんだけど、その混乱が楽しめる作品でした。構成が上手いんだよね。人の気持ちを動かすのが上手だと思う。まさにマインドコントロール。

映画も観てみたいなぁ。
九州訛りがあんまりにもよかったので実際に聞いて耳でも楽しんでみたい。小説では、祐一のおばあちゃんと佳乃の父親が人間らしくて好きなんだけど、その役を樹木希林と柄本明が演じていると知り、ますます興味が湧いています。

「悪人」は、めいちゃんに教えてもらいました。
先が見えるのに、先が気になってしかたない小説でした。
読み終わると、また読書がしたくなるんだよね。
めいちゃん教えてくれてありがとう。

2月13日




小説「悪人」の博多弁や長崎弁や佐賀弁に感化

今、悪人を読んどるとよ。
悪人を読んどると博多弁になると。もしかしたら佐賀弁かも、いや長崎弁かも、実は違いがようわかっとらんと。でも感化されとると。

博多弁ってかわいい。京都弁と博多弁は、女の子が喋ると、それだけで2ポイントくらい可愛らしく見えると。義理の妹が九州娘なんだけど可愛いんだよね。彼女と話してると「もっと喋って」と思っちゃう。

「悪人」の小説も、この方言がさらに小説をおもしろくしてると思う。しかし、内容は暗いとよ。気になるし読みやすいから、あっという間に上巻を読んでしまい、今は下巻の最終章「私が出会った悪人」に入ったところやけど、ここまで読むと、読み進めるのがつらい。きっと私の想像通りのラストが待ってそうで。だったら悲しすぎるとよ。

上巻は、誰が犯人かわかって読む小説も面白いな〜なんて思いながら読んでたけど、上巻のラストで意外な展開があり、「もしかして私の勘違いですか〜」と思ったと。だから、下巻のラストも意外な展開を期待するとよ。いや、意外なラストを切に願ってしまうと。すっかり裕一に同情しとる。裕一は妻夫木君だと思って読んでいるから、なおさら可哀想に思ってしまう。もっともっと彼に・・・・・・・と思うとよ。

もし、裕一は妻夫木君だと知らずに読んでいたら、私はどんな気持ちだったんだろう。上巻の最初に、「30分もあれば、この車内でしゃぶってもらうことはできる。最初は嫌がるだろうが、無理矢理にキスをして、それから乳房をもんで」と裕一はシミュレーションするんだけど、妻夫木君を想像してなかったら、この時点ですごい嫌悪感を感じてたと思う。だけどそんなに嫌な感じがしなかったのは、同情してしまうのは、妻夫木君を想像してるからなんだろうな。もちろん作者の描き方もうまいんだけど。

おや、おやや。感想は読み終わってから書こうと思いよったのに、いくらか書いてしもうたとよ。でも、ネタバレはしてないと。安心していいけん。写真は悪人の単行本。単行本に「俳優・妻夫木聡が出演を熱望した「悪人」とは・・・」なんて書いとるけん、やっぱり妻夫木君の顔が思い浮かぶと。ところで単行本に映画の割引券がついとったとよ。すごかけん。ところで私の博多弁はおうとると?おかしいやろ?ごめんなさい。

9月30日




湊かなえの小説「告白」を読んだ感想

先日、「告白」の映画を観ました。

「告白」の小説を読み終えたとき、面白かったから、時間があるとき、ゆっくり感想を書きたい〜なんて思っていたら、読み終わってから2ヶ月以上も経ち、映画まで見てしまいました。のんびりしすぎですね。とほほ。

このままでは、共倒れしそうなので、まずは小説の感想を書きたいと思います。

ネットで本が買えるようになりずいぶん便利になりました。でも、私は本屋さんが好きです。好きな理由はいろいろありますが、そのうちのひとつが店員さんが書いている手書きポップ。

最近はどこの本屋に行っても見かけるようになり、有り難みが薄れつつありますが、この手書きのポップを読むのが楽しみなのです。内容もなんだけど手作りの温かみがあっていいなぁと思って。

「告白」は、どこの書店でも絶賛の荒らしでした。そんなに面白いなら読ませていただこうじゃないかと手に取ったのですが、一頁目をめくった途端、改行のない文章に圧倒され読む気が失せました。

松たか子主演で映画化され話題になり、また読みたくなったんだけど、やっぱり撃沈。そんな時、摩子ちゃんが「面白かった」と教えてくれ、摩子ちゃんが薦めてくれる本はいつも私好みなので「告白」も読むことにしました。

告白は、今まであまり読んだことのないタッチの小説でした。最初、あんなに抵抗感があった改行の無い文章も、読み進めると全く苦にならず、逆にこの文体だからこの小説は読ませるんだと感心したほどでした。

物語は第1章から第六章まで続きますが、とくに第1章の完成度の高さは一級品。おもしろい小説でした。食わず嫌いで終わらせなくてよかった。摩子ちゃん教えてくれてどうもありがとう。

では感想を。
なるべくネタバレしないよう書きますね。

第一章は、森口先生の告白。
頭の中で松たか子をイメージしながら読みました。
最後まで松たか子の喋り方で読んでいました。

第二章は、クラス委員長の北原美月の告白。
やることなすこと空回りしてしまう新任教師のウェルテルに注目。
無知というのは恐いなぁと思いながら読みました。

第三章は、少年Bの母親の日記(を読む次女)。
第一章と第二章で受けた母親の印象が違うことに驚きました。
日記は基本的に自分に都合よいことしか書かないもの。
だからだとは思うけど、他人から見た母親と当人とのギャップが
あまりにも大きく、その差がなかなか面白かったです。内容は恐いけど。

第四章は、少年Bの告白。
彼はどうしてそうなったのか知りたかったので、
答え合わせを読んでいるような感覚で読みました。
想像通り過ぎて意外性はなかったけど、だからこそいろいろ考えてしまいました。
悪い子じゃないんだよね。
ほんのちょっと何かが違っていたら、別の人生があったと思う。

第五章は、少年Aの告白。
男の子はマザコンだよね。
ただ、少年Bが母親から溺愛されたのと違い、少年Aは愛情に飢えていて、
彼の生い立ちを知るにつれ、ちょっぴり同情しそうになりました。
せっかく頭がいいのにもったいない。
しかし、頭が良くても、人生は自分の思い通りには運ばないものなのです。

第六章は、森口先生の告白。
ものすごい後味悪い終わり方。なのに充実感のある終わり方。
これが実話なら嫌だけど、小説としては見事なラストだと思いました。

「告白」は、母と子の物語だと思う。
そして、面白いくらい父親の存在感がない物語。
悲劇の根っこは、ここにあるような気がします。

ひとつだけ気になるのが、北原美月の生い立ち。
こんなに事件を丸裸にしてくれるなら、
北原美月の両親も登場して欲しかったです。
少しだけそれらしき描写はあったけど、
もし、あえて登場させなかったのだとしたら、
その理由を港かなえさんに聞いてみたいです。

事件とあまり関係ないんだけど、第1章のカルシウムと亜鉛の話は好きです。
私も例え話が好きなので、なんか共感できました。
まだまだ書きたいことはあるんだけど、これで終わりにします。

8月28日




99歳の詩人柴田トヨ「くじけないで」貯金

写真の「じけないで」は99歳の詩人・柴田トヨさんの詩集です。

トヨさんが詩を書き始めたのは92歳のとき。長男から奨められ詩を書き始め、産経新聞に投稿していました。「くじけないで」はそれらの詩をまとめた詩集です。

有名な詩人でも3千部売れれば成功と言われている世界で、53万部も売れているそうです。新聞で紹介されていたときから気になっていたのですが、いつのまにか大ベストセラー詩人になられていました。

92歳でデビュー!だけでも驚くパワーなのに、最初は自費出版で詩集を出したというからこれまた驚きのパワー。年齢のせいであきらめちゃいけない!いくつになっても始められる!ことを身を持って教えてくれる素敵な99歳の詩人です。

詩集は30分もあれば読めます。でも深いです。
時間をかけて読めば気づくことがたくさん見つかります。

ただ、私の場合、詩集を読む前のほうが元気をもらえました。詩集を読んだ後は、切ない気持ちに。トヨさんの詩集を読んでると、彼女の詩に未来を見たり、彼女の言葉に共感するより、トヨさんの過去に思いを馳せていました。

明治、大正、昭和、平成を経験したトヨさん。私が切なくなったのはトヨさんが私の祖母と同世代だからでしょうか。若い頃は苦労された世代だから、その苦労を思うと、泣き言なんて言ってたらダメだ、もっとちゃんとしよう、トヨさんのパワーをあやかり、周りの人を大事にしよう、やさしさをたくさんあげたい。そういう気持ちになりました。


先日、NHKでも紹介されていました。
番組では私が好きな詩も紹介されていたので一部を引用します。



「秘密」

私ね 死にたいって 思ったことが 何度もあったの
でも 詩を作り始めて 多くの人に励まされ
今はもう 泣き言は言わない

九十八歳でも 恋はするのよ
夢だってみるの 雲にだって乗りたいわ




「貯金」
  
私ね 人から やさしさを貰ったら 心に貯金しておくの
さびしくなった時は それを引き出して 元気になる

あなたも 今から積んでおきなさい
年金より いいわよ




トヨさん、ありがとうございます。

8月8日




山本文緒の日記エッセイ「再婚生活」の感想

山本文緒の再婚生活。

普段あまり小説を読まない私がたまに小説を読み、それが面白い小説だったとき、その人の小説ばかり読んでしまう癖があるのですが、山本文緒さんは私が夢中になった作家のひとりです。

最初に読んだ本は『ブルーもしくはブルー』。その後、彼女の小説はコバルト時代の小説も含め今読める本は全て読んでしまい、エッセイも読みました。

新刊を待望していたのですがずっと出版されなくて、私の熱病が冷めた頃に『再婚生活』が出版されました。

再婚生活というタイトルなので、ラブラブな日記エッセイを想像してたんだけど、中身は闘病日記でした。私が新刊を待望している間、山本文緒さんは重度のうつ病を患い入退院を繰り返していました。40歳で書き始めたこの一冊も書き終えたときは44歳。時間の長さが病気の重さを感じさせます。


◎9月15日
恵まれすぎだというふうなことを言われて「そうか、人にはそう見えるんだろうな。実際そうだしな」とは私も思った。
◎12月23日
食事にも気をつけるよ。お酒もほどほどにするよ。できたら煙草もやめるよ。今のんでる薬も減らすように頑張るよ。ほんとにごめんよ、私の体。
◎2月18日
健常者とうつ病患者の間に流れる、深い沈黙。前者は呆れ、後者は混乱。不安時の薬をもらってバクバクしたまま眠った。
◎8月8日
仕事上のいろいろなストレスや引っ越しや再婚で、感情のバランスが狂ったのだと思っていたけれど、そうじゃなかったと最近しみじみ思う。だいたいその「外から攻撃された」という被害者意識がまずいけなかった。
◎8月17日
最後まで原稿を書き上げたご褒美に、王子が鶏の唐揚げを買ってきてくれた。久しぶりでめちゃくちゃ嬉しい。おいしいものはなんで体に悪いのだ?


素直な気持ちを書きながらも、客観的な目で自分を観察し淡々と書いているので、悲痛な感じはしないんだけど、さすがに長期に渡って日記を休む前は、リタリン依存になるほど病状が悪化し、病気の苦しさや辛さが伝わってきました。

山本文緒さんは夫のことを「王子」と呼びます。王子と文緒さんは衝突することもあるけれど、彼は優しいです。めちゃくちゃいい人。もちろん彼女の目を通しての彼だけど、朝ごはんを作り、妻の弁当を作り、懸命に妻を支える姿は健気なのです。


◎10月18日
一人になるのは淋しいが、一人になるのは楽でもある。
◎11月17日
私が寝たあとに仕事から帰ってきて、あんまり寝てないはずの王子に起こされて起きる。そして王子の作った朝食を食べる。きっと罰が当たる。
◎11月27日
夫婦がうまくいかなくなるのは何故だろう。どうしてお互い歩み寄れないのだろう。なんで人間は自分の我を通したいのだろう。
◎12月3日
王子は私が入院している頃は掃除ばかりしていたらしい。掃除をしているときしか気が紛れず、そんなつらい気持ちを誰にも言えなかったそうだ。今更だけどごめんなさいと謝った。

本のタイトルをなぜ「再婚生活」にしたんだろう。そんなことを読み終わったあと考えたんだけど、彼女にとって40歳から44歳は、病気と闘った日々よりゆっくり時間をかけて夫と向きあったことのほうが大きかったのかなと思いました。

この本は単行本で読みました。今頃、感想を書いているけど読んだのは1年くらい前です。半年前に文庫本が出版されました。文庫本には単行本に書かれてない話もあるらしく、文庫本が出るまで待てばよかったと後悔しちょります。なんかタイミング悪いわ。でも、それを知ったから感想を書こうと思ったんだけど。

5月21日




「もしドラ」川島みなみのモデル峯岸みなみ

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』という非常に長いタイトルの本を読みました。

タイトルが長いので「もしドラ」という愛称で呼ばれています。51万部を突破した大ベストセラーです。週刊ダイヤモンドで組まれていた特集を読んで興味を持ちました。

この「もしドラ」、ドラッカーなのでビジネス書かと思ったら小説なのです。

入院した親友に頼まれ都立高校の野球部のマネージャーになった女子高校生が、ドラッカーの経営書「マネジメント」を参考にしながら、ダメダメ野球部員とダメダメ監督のやる気を引き出し、野球部の仲間たちと一緒に甲子園を目指すという話。

著者は小説家ではなく、「AKB48」のプロデュース等を携わったテレビ業界の人なので、小説を期待して読むとがっかりします。だけど、ラストに向けての盛り上がりはなかなかのもので、伏線だとは思ってなかったことが伏線だったり、きっちり回収されお見事でした。例えば、「北条文乃の逃げる癖」や「桜井祐之助のエラー」の生かし方。野球は9回裏2アウトからと言うけれど、この小説もそんな感じ。

しかし、小説を堪能しながら、頭の片隅では、なぜ、この本がこんなに売れたのか考えながら読んでいたんだけど、なんといっても、ドラッカーを一番読まなさそうな女子高生がドラッカーを読むという設定がいいんだと思う(ダイヤモンドの特集によると、主人公川島みなみのモデルは「AKB48の峯岸みなみ」らしいです)。そして、表紙のイラスト。これまたドラッカーからは考えられない「萌え系イラスト」。この意外性と親しみやすさがヒットの要因なんだろうな。

読み進めれば読み進めるほど、主人公の川島みなみの言動は女子高生に見えないし、ドラッカーよりも野球に詳しくないと書けないだろうと突っ込みたくなるんだけど、もし、もし、もし、高校生の頃に「もしドラ」に出会っていたら、私の人生ももう少し変わっていたかなと思いました。著者の岩崎夏海さんは、「もしドラ」は、ドラッカーの『マネジメント』の入門書ではなく応用編だと語っていたけど、ドラッガーの経営論は難しくて読めないという10代や20代の若者におすすめです。

5月14日




瀬尾まいこ「優しい音楽」と佐々木効果

先月、めいちゃんのブログで私を見つけた。
「おっ」と驚き「えへっ」と喜ぶ。
相手してもらえると嬉しい。

私の書いた瀬尾まいこの小説(&原作映画)の感想を読んで、瀬尾まいこワールドにはまったみたい。ただ教えてあげただけなのに感謝され繋がってくれてた(^o^)。そういえば女の子に優しい(冷え、生理痛、PMSなど)「生姜紅茶」を教えてあげたときも彼女は繋がってくれた。相手してもらえると嬉しい。

私は、教えてもらうことも教えてあげることも好きだ。楽しいことはひとりじゃなくて誰かと一緒に味わいたい。おいしいものを食べたら誰かに食べさせてあげたくなるし、おもしろいものを見つけたら誰かに見せてあげたくなる。同じ気持ちを共有することがとても好きだ。

ただ、自分がいいと思ったものが必ずしも共感してもらえるとは限らない。嫌がられる場合もある。負担に思わせてしまう場合もある。だから、相手の顔色を見てすすめるし、相手に余計な負担を与えないよう押し付けないよう注意している。

ここに感想を書くときも同じで、好きな情報があれば拾っておくれ!くらいのスタンスで書いている。意識して距離を置いている。だから、否定されることも嫌がられることもあまりなく、おかげで傷つくこともあまりない。その変わり喜びも少ない。

人と繋がることの楽しさや幸せを味わいたいのなら、傷つくことからも逃げちゃいけないのだろう。人と繋がることの楽しさや幸せに、傷つくリスクはセットなのだ。傷つくのは恐い。とっても恐い。でもだからこそ繋がったとき楽しいのである。


話はがらりと変わって写真の本。
写真の本はめいちゃんが気に入った瀬尾本です。

「優しい音楽」は3つの短編集からできています。表題作である「優しい時間」はタケル君と千波ちゃん、「タイムラグ」は平太と深雪、「がらくた効果」は章太郎とはな子のカップルが登場します。

どのカップルも、普通の感覚だと「えぇぇ」と驚きそうな事情を持っているのですが、そんな特殊な事情を瀬尾まいこが書くと微笑ましい関係に変身です。好きな人のためなら何だってできる!とまでは言わないけど、好きな人のために一生懸命不器用になれるところが微笑ましく気持ちがじわっとあったかくなってきます。

私は最後の「がらくた効果」が好きです。佐々木さんに惹かれてます。佐々木さんを見つけてきた、はな子のセンスにも惹かれます。そして、佐々木さんにはまっていく章太郎にも惹かれてます。大きな事件は無いけれどまったりした時間の流れが心地よいです。

いいなぁ佐々木効果♪と思うのだけど、だからといって佐々木さんと一緒に暮らす勇気は私にはまだないです。だから楽しさを味わえないのかもしれないなぁ。

3月5日




阿曽山大噴火と辛酸なめ子のB級裁判傍聴記

B級裁判傍聴記を読みました。
裁判の傍聴記です。
笑っちゃいけないんだろうけど、笑ってしまうおもろい本です。

テレビや新聞で伝えられる裁判は、残酷な事件ばかりですが、
ほとんどの裁判は、報道されることもない小さな小さな裁判です。
「B級裁判傍聴記」は、そんな小さな裁判を傍聴した記録です。

この本には変な人がいっぱい。裁判官や弁護士までも個性的。
私も何度か傍聴したことがあるので、想像できるのですが、
まことに事実は小説よりも奇なりであります。

【B級裁判傍聴記の一部です】

 ★ニセ札を作るのは、大がかりな計画と準備が必要です。
 個人でするには実に割にあわない犯罪なのであります。
 そんな大変なニセ札づくりを普通の主婦がやってしまいました。
 普通の主婦が使った道具は、自宅のFAX付きコピー機。
 作ったニセ札は、明らかにニセ札だとわかるお粗末な粗悪品でした。
 紙は普通のコピー用紙を使い、裏表をのりで貼り付けた簡単なもの。
 しかし、驚くのは2軒も騙せたこと。3軒目でバレました。

 ★被告人は、個人で貿易業を営む74歳。
 海外から日本の銀行に、22万6800円が振り込まれるはずが、
 銀行のミスで22万6800ドル(日本円で約2400万円)が誤送金されます。
 なんと銀行はドルと円を間違えちゃいました。そんな事があるんですね。
 正直に言えばよかったのに、被告人は、お金を他の銀行に移します。
 そして、家を購入します。家です。家。74歳にしてローンを組んだのです。
 これって誤送金がなければ起きなかった事件だけど、詐欺罪になるそうです。

 ★被告人は、警察に憧れる警察マニア。
 ニセの制服を着て警察になりきっているところを
 たまたまその場に居合わせた私服警官が偽りを見抜き逮捕しました。
 私服姿の人が、制服を着ている人を逮捕です。
 電車の中だったので、周りの乗客もさぞビックリしたでしょう(笑)
 不思議なのが、そんなに警察が好きなのに、試験に4回も落ちたそうです。

こんな感じのゆるい裁判が40件紹介されていました。

もうひとつ。
法廷でマジックーショーをした証人の話もおもしろかったです。
この証人さん、嘘を言ったら偽証罪になってしまう法廷で、
セロやミスターマリックの種明かしを連発したそうです。
あ〜簡潔にうまくまとめるのは難しいです。
やっぱり、阿曽山大噴火が話すから、この本は面白いんだろうな。

ラジオなどで彼の話を聞いたことがある人は、
彼の声や話し方を想像して読めるので、おもしろいと思われます。
最後は裁判員制度についての辛酸なめ子と対談がありました。

8月5日




銀色夏生と吉高由里子(小学生)のコラボ写真

銀色夏生の「決めないことに決めた。つれづれノート16」に、
女優の吉高由里子ちゃんの話が載ってて、え〜と驚いています。
(つれづれノート16は2008年8月〜2009年2月7日の銀色夏生日記)

銀色さんの娘(カーカ)と吉高由里子ちゃんは同じ小学校で、
カーカが2年生の時、吉高由里子ちゃんは6年生だったらしく、
銀色さんも、友達に教えてもらうまで気づかなかったみたい。

彼女の本名は吉高由里子じゃないし、カーカと学年も違うから、
気がつかなくても当然のような気がするけど、
銀色夏生と吉高由里子の接点はそれだけじゃなかったのです。

2000年4月6日、小学校に用事があった銀色さんが、
新入生のお世話をする吉高由里子ちゃんをたまたま見かけ、
彼女の感じよい振る舞いに一目惚れ。
その後、彼女を探し、「写真を撮らして欲しい」と手紙を送り、
家の前や近所の公園で写真を撮らしてもらったそうなのです。

その頃の事が、「島、登場。つれづれノート10」に書いてあった、
と新刊に書いてあったので、私も本棚から探して確認。
あった、あった、ありました。
“吉高由里子に一目惚れした日”と“撮影した日”の日記がありました。
銀色さんも大興奮してたけど、私も大興奮。

吉高由里子の写真は、「バイバイまたね」という詩集に載せた、
と新刊に書いてあったので、私も本棚から探して確認。
あった、あった、ありました。
小学6年生の吉高由里子の写真がありました。
これってデビュー前の写真だから、すごいお宝写真です。
幼いけれど(小学生だから幼いんだけど)、面影あります。
幼いけれど、小学生にしては大人っぽい和風美人で、
髪をアップにして浴衣を着せると似合いそうな感じです。

当時のことを思い出した銀色さんが、とっても嬉しそうに
彼女の活躍を喜んでいたのが、可愛かったです。
吉高由里子のファンだったカーカのほうが冷静(笑)。



写真は、「決めないことに決めた〜つれづれノート16」と
吉高由里子もモデルになってる詩集「バイバイまたね」と
銀色さんがお気に入り写真だと書いてあったチラシです。
チラシの彼女が幼い頃の吉高由里子ちゃん。
さすがに詩集の中の写真は撮れないので本の外観を撮りました。

友達のやぶちゃんが、銀色さんは「先見の明がある」と語ってたけど、
過去にも、デビュー前の森高千里(わかりやすい恋)や
デビュー前の裕木奈江(Go Go Heavenの勇気)を詩集のモデルにしてて、
たしかに金の卵を発掘する力が、銀色さんにはあると思いました。
芸術家だからセンスがいいんだろうなぁ。

私は、ドラマ「白い春」を観て吉高由里子のファンになりました。
ちょうど「白い春」を見終わった直後だから、タイムリーな話題。
つれづれの発売がもう少し早かったら無関心だったかも。
たぶん、銀色さんも「白い春」を観ているような気がするので、
次のつれづれノート17で「白い春」の感想がありそうで楽しみ。

6月28日




おくりびとの原作本ではない「納棺夫日記」

「納棺夫日記」を読みました。

読むまでは「納棺夫日記」という小説だと勝手に思ってて、青木新門さんの日記だと気づくまでは読みにくい本でした。また、映画「おくりびと」の原作本だと思ってましたが、原作本ではありませんでした。映画化のきっかけになった本であることには間違いないけれど、宗教観の違いなどから映画の原作になることは拒否されたようです。

たしかに宗教への思いの強さはかなり感じました。これが伝えたくて、自分の生い立ちや納棺夫として日々を語ったんじゃないかと思うほど。

ただ、この宗教観の部分(第3章)は賛否両論だったみたいで、感動する人もいれば、理屈っぽいと感じる人もいたようです。私はどちらかというと後者。宗教に関しては下地がないのであまり理解できず、でも、興味はあるのでちゃんと勉強したいと思いました。しかし、映画でこれを表現するのは難しそうです。


前半(第1章と第2章)の納棺夫の話は感慨深かったです。

社会通念を変えたければ自分の心を変えればいいのだ。
心が変われば、行動が変わる。


たとえば、青木新門さんがこのことに気づいたときの話はいろいろ考えてしまいました。人は肩書きに弱く、見た目に弱い生き物で、白い目で見られていた納棺夫という仕事も、服装を整え、礼儀礼節に心がけ、自信を持って堂々と仕事をするだけで、わかりやすいくらい周囲の態度が変わった話。見た目で判断するのは悲しいけれど、単純なところは日本人の愛すべきところなのかもしれません。

「おくりびと」の映画はまだ観てません。観てないのでいろいろ想像しながら読めました。映画の予告で、広末涼子がもっくん(本木雅弘)に「さわらないで」と言うシーンはこの部分なんだろうなぁとか、この話は映像にすると美しいだろうなぁなどなど。私が一番じーんと心に響いた話は、むかし付き合っていた彼女の父親を湯灌し納棺した話。彼女との再会が仕事に誇りを持てるきっかけになったんじゃないだろうかと思うほど運命を感じました。

納棺夫日記の中には、人の死がいろいろ書かれています。中には読むのがつらくなる話もありました。気持ち悪くなる話もありました。恐くなる話もありました。でも、羨ましい話もありました。ふと、自分はどのような形で死ぬんだろうと考えてしまいました。

まず、苦しまないで死にたい、人に迷惑をかけずに死にたい、そしてできることなら美しく死にたいと思うけれど、思うようにはいかないよね。事故で死ぬのか病気で死ぬのか、今、考えたところでわからないんだけど考えていました。

でも、どう死ぬかよりも、どう生きたかが大事なわけで、今、わたしができることは今を生きることなのよね。これ以上後悔しないように丁寧に生きていきたいです。

6月22日




ベッキーの心のとびら(写真言葉集)の感想

「ベッキーの心のとびら」を読みました。

ベッキーが25歳のバースデーを記念して刊行した本。ベッキーの写真とメッセージが、日めくりカレンダーのように、並べられていて、文字だけ読むとあっという間に読めちゃいます。10分もかからないくらい。ベッキーに興味ない人はもの足りないかも。でもベッキー好きにはたまらない本だと思う。

ベッキーは好きだけど、とくにファンではない私が、どうしてこの本を読んだかというと、フジテレビの「新報道2001」で、女性誌「GINGER」の編集長を密着取材をした特集があり、その密着されていた編集長がブログでベッキーの本(ベッキーの心のとびら)の紹介をしていたから。

ベッキーの本は、「GINGER」と同じ「幻冬舎」から出版。相乗効果もあって紹介しているんだと思う。だけど、《今の私にとって栄養ドリンク&精神安定剤みたいなもの》などと、めちゃくちゃ誉めていて、私と同世代の彼女が、毎日読んでいるとまで書いていたから、読みたくなったのです。


私がベッキーの本から元気もらった言葉は編集長と同じ。



 “疲れ”はおうちに置いていくもの。
 仕事場に持って行くものではありません。
 持って行ったとしても、こっそりこっそり持って行って、
 楽屋にしまっておくべきものです。



 なまけたら未来の自分に大変な思いをさせてしまうことになります。
 私は未来の自分に幸せになってほしいんです。
 だから目の前のものに一生懸命になります。




彼女が、頑張り屋さんなのが、よくわかる言葉。
それだけに、我慢していることや無理していることや
陰で泣いていることも、いっぱいあるんだろうな、と思いました。

4月3日




娘が東大に合格した本当の理由を読んだ感想

陰山英男先生の『娘が東大に合格した本当の理由』を読みました。

良い本でした。
読後感が爽やかで、前向きな気持ちになれる本でした。
星の数は5個(5段階)です。
生きる力を育てる知恵が学べて、
受験とか、東大とか、関係ない生活をしている人にも応用できます。

私は、不覚にも泣いてしまいました。
受験とは関係ないゴールデンレトリバーの話で・・・。
まさか、犬の話で泣かされるとは思っていませんでした。
動物って家族。動物の力は大きいです。


陰山先生の娘さんが、東大受験を決意したのは高校3年生の4月でした。
幼い頃から東大を目指していたわけではなく、
広島県の公立高校に通うごく普通の女の子でした。
なので、東大受験を決意したときの東大模試の合格判定はE判定。
合格の可能性は20%以下からのスタートです。

しかし、短期間でめざましい成長を遂げます。
もちろん全てが順調だったわけではありません。
1年目の受験は失敗し浪人します。
現役の時も浪人中も何度か挫折しそうになるんだけど、
その都度、周りの人に支えてもらいながら乗り越えました。


親は決断のタイミングは作っても、決断には関わってはいけないと思う。
なぜなら、自分にとって決定的に重要なことは、
やはり自分自身で決断させなければならない。
そうしないと、自分の人生に対する責任が育たない。
自分の人生に責任が持てないと、何かうまくいかないことがあったとき、
すぐ人のせいにしてしまうようになる。ここは本人の決断を待つしかないと決めた。


と陰山先生は著書の中で書かれているのですが、
娘さんがプレッシャーに負けそうになっても諦めなかったのは、
自分の意志で東大受験を決めたことが大きいように思いました。

やる気さえあれば何だってできるわけではないけれど、
やる気がなければ叶わないのが夢。
そして邪魔なのは「私にはできない」という思い込みです。


陰山先生は、百ます計算で有名になられたカリスマ先生です。
立命館大学教授や立命館小学校副校長をされながら、
あの大阪府教育委員会の教育委員に秋から就任されています。

彼の教育方針はずっと変わりません。
●「早寝、早起き、朝御飯」の生活習慣確立
●「読み・書き・計算」の徹底した反復学習

そして、娘さんの受験に対しても、やっぱり同じ事を語られていました。
ぐっすり寝てもりもり食べる!そして、毎日やること!

学力調査のデーターも掲載されていたのですが、
平均睡眠時間は7〜9時間が一番学力が高く、
それより短くても、それより長くても、学力は下がっていました。
食事との関係はさらに深く、朝ごはんを食べない人の学力は、
目も当てられない状態になっていました。

これは子どもだけの問題ではなく大人も同じ。
生きる力を低下させるのは、「不規則な生活」と「偏食」なんですよね。
わかっていても、丁寧に暮らすって難しい。(;>_<;)。


この本は、2部構成になっています。
前半は陰山先生の話で、後半は娘さんの受験体験記。
この娘さんの体験記がすばらしいのであります。
美しい日本語でわかりやすく素直な心で書き綴られていて読みやすい。
もし彼女がブログを書いていたら毎日でも読みたくなるような文章でした。
長くなったので、後半部分の感想は、また後日書きたいと思います。

最後に、もうひとつだけ陰山先生のありがたいお話を。
他にもいい話はあり、どれにするか迷ったんだけど、感謝の話にしました。

日本の社会は、人を学歴など表面的なもので判断する。(中略)
しかし、そうした表面的な判断材料はすぐに過去のものとなり、
人格と能力と実績、そして協力し合える人間かどうかで判断する。
日本の社会で立派に生きるためには、
人に配慮し、素直に感謝できることが重要だ。

人間はひとりでできることなど、たかがしれている。
大切なのは感謝する心だ。
感謝する心のある人に援助は集まる。
自分が立派だと思った瞬間から、人は進歩が止まり、成長できなくなる。


そうなんだよね。
感謝の気持ちが足りなくなると、不平不満がたまり、
不平不満がたまると、心は病んでくるから、感謝って大事です。
でも、口先だけじゃ逆効果で、心から感謝しないと意味はないんだよね。

感謝できない時は、どんな時か考えると、無知なことが多い気がします。
厳しさの中にある愛情に気づけば、厳しくされても恨まないように、
感謝できないときこそ、自分の無知を知り、気づくことが大切だと思いました。

●陰山英男先生の娘さんの東大合格受験体験記
感想文の続きです。

2月15日




珊瑚の島で千鳥足・銀色夏生とせっせの介護

時々巷を騒がす高齢者相手の詐欺は許せません。
あの手のニュースを聞くたびに腹が立ちます。
ちゃんと考えることの難しくなった人を騙すなんて
人間として一番やってはいけない事だと思ってます。
高齢者あいての詐欺たちに不幸な老後が訪れますように。


と、「珊瑚の島で千鳥足」に書いてありました。
他人の不幸を願うのは好きじゃないです。
そんな暇があったら、自分や大切な人の幸せを願う時間に費やしたい。
でも、許し難い手口で高齢者を騙した人達が、
どこかで贅沢な暮らしをしているかと思うと腹が立ってきます。

銀行員が約1時間にわたり「それは振り込め詐欺だ」と説得しても、
「息子が大変なことになる」と応じず、お金を振り込み、
140万円を騙し取られた60代の母親がいました。
騙されたほうも隙があるかもしれない。
でも、こんなことは親じゃないとできないことです。
それを利用するなんて鬼みたいな人達です。

騙されたのはお年寄りじゃなかったけど、
5年前、下校途中に行方不明になった
当時小学生の女の子の家族に「娘さんを助けた」と嘘をつき、
総額約7000万円を詐取した男と女が逮捕されていました。
娘を救い出したいという家族の心情につけ込んだ悪質な犯行です。
どうしてこんなひどい事ができるんだろう。
騙し取ったお金はほとんど使っているらしく許せません。
犯人達に不幸な老後が訪れますように。
と願わずにいられなくなります。


珊瑚の島で千鳥足は、
銀色夏生のお母さん(しげちゃん)が脳梗塞で倒れ、
その介護の日々を綴った「ばらとおむつ」の続編で、
その大部分が、介護している銀色のお兄さん(せっせ)が、
遠方にいる兄弟達(4人兄弟)に母親の様子を知らせた介護通信。

重く暗くなりがちな介護だけど、ほのぼのしていてなぜか癒されます。
とはいえ、せっせはひとりぼっちで介護しているから、大変だと思う。
親孝行なせっせに、幸せな幸せな老後が訪れますように。

12月18日




吉田屋旅館を廃業危機から救った山根多恵

山根多恵さんの「週末は若女将」を読みました。

彼女は、24歳の時、島根県の高齢化が進む町で、
後継者難で廃業の危機にあった老舗旅館の若女将になり、
数々の旅館改革を進め見事に旅館を立て直し、
2006年に女性起業大賞で特別賞を受賞しました。

1300年の歴史がある由緒ある湯治場で、
世襲制が慣例の旅館業をよそ者の彼女が、
旅館業のノウハウなど全くない彼女が、
半年も経たずに1年の売上を達成し、
1年後には前年の2.4倍もの収益を上げます。

彼女が実行した旅館改革がこれまた斬新でユニークなのです。
 ●週休4日制の旅館 (営業は金土日の3日間)
 ●休日は地域貢献活動 (遊休農地で農業→作った野菜は料理に活用)
 ●旅館にひいていた温泉を閉める (近所の元湯の無料チケット配布)

旅館のコンセプトは「元気になれる旅館」。
効率を重視しながらもおもてなしの心は徹底していきます。

新聞で取り上げられていたので存在は知っていたのですが、
みのもんたのサタズバで彼女の特集を見て、
記事以上にしっかりしている彼女にビックリしました。
政治家のように日本の将来のことを考えていて、
話し方も人を惹きつける力強さがあり、
大学卒業したばかりの娘さんの器とは思えない行動力。しかも美人。
いったい彼女の後ろには誰がいるんだ?と気になり彼女の本を読んでみました。


読んでみると、本の半分は旅館の話ではなく、彼女の波瀾万丈物語。

大学受験に失敗し、希望した大学ではなく、地元の国立大学に通うのですが、
大学に行く意味がわからなくなり、学校に行かなくなり、
遊びまくり、遊ぶために必要な金欲しさに居酒屋のバイトをはじめ、
昼夜逆転の生活をし、ますます情緒不安定になり、
何かにつけて親や友達のせいにし、そんな自分も嫌になり、
人に会うのも起き上がるのも面倒くさくなり、引き篭もるようになります。

全てにおいて100%じゃないと許せない彼女の性格が
自分をどんどん追い込んでいきます。
そんな彼女が変わるきっかけになったのが、『感謝』でありました。

あまりばらすのも失礼になるので詳しく書かないけれど、
自分がこんなになったのは親が悪いんだと両親を責めていた彼女が、
母親に「ありがとう」と心から言えた時から彼女は丸くなっていきます。
感謝できない人は不満が多くなるというのは、やっぱり本当なんだなと思いました。

そこから全てが順調に運んだわけではなかったけれど、
何があって逃げない彼女に成長していました。
常に100%の結果を求めていた彼女が現状に満足できなくても頑張ります。
人と関わることから逃げていた彼女が「人は財産」だと出会いを大切にします。
変われば変わるもんだと驚かされました。

ちなみに、気になっていた彼女のバックにいる人。やっぱりいました。
市川房枝さんや菅直人氏の選挙参謀(CHANGEでいう阿部寛)を務めていた人でした。
バックにいるというよりその人からたくさん影響を受けたみたいですが、
私には山根多恵さんという宝石を見つけたことのほうが羨ましくなりました。
そのくらい魅力的な彼女の奮闘記でありました。
最後に彼女の言葉を紹介して終わります。

「期待半分、裏切り半分」
それくらいがちょうどいいんです。
期待しすぎると、挙げ句に疲れ果て、続かなくなってしまう。
それではどうしようもないから、自分にも人にも100%期待しない。

9月18日




偽善エコロジーの感想エコが地球を破壊?

幻冬舎から出ている『偽善エコロジー』を読みました。
サブタイトルは、“「環境生活」が地球を破壊する”。

 レジ袋を使わないマイバック運動も、
 割り箸を使わないマイ箸運動も、
 石油を使わないバイオエタノールの推進も、
 みんな、ただのエゴだ!と説明。

だからといって無駄に使っていいと浪費を推奨しているわけではなく、
リサイクルよりも、物を大切に、人に優しくなることが大切だと主張。
それを科学者らしく、データを使ってわかりやすく説明してくれています。

たとえば、リサイクルするために集められているペットボトル。
このペットボトルを回収するのに、自治体は、
日本国民の税金を1キロ当たり405円も使っています。
しかし、回収したペットボトルは、ほとんどリサイクルされず、
現実は、中国に40〜50円で売り渡しています。
405円で仕入れた物を50円で売る商売など考えられないのですが、
50円で売れたことを儲かったと喜んでいる自治体があるそうです。

もともと捨てるはずだった物が売れたのだから、
儲かったと喜ぶ心理もわからなくはないけれど、
そのために使われた税金は無駄じゃないかと言われれば、
間違いなく無駄であり、もっと他のことに使っておくれよ、と私も言いたくなります。

こんな感じで、最近のエコ運動は、“強い者の味方”で、
企業の金儲けと環境省の利権にまみれている、と仰っていて、
先生の主張を読んでいると、結局は、心の問題なんだと痛感しました。



毎日、食べているご飯。
お茶碗を使って食べています。
食後、そのお茶碗を毎回割ってリサイクルに出す人は、おそらく一人もいない。
しかし、ペットボトルは一度使ったら、そのままリサイクル箱に入れてしまう。
その違いはいったい何なのか?

かつてお茶碗職人の人は、それほどお金持ちではありませんでした。
自分の家に小さな工場を持ち、細々とお茶碗を作っていました。
自分で作ったお茶碗を我が子のように「大切に使ってください」と売ってました。
買った人もそれを感じて、その茶碗が安かろうと高かろうと、
作ってくれた方への感謝、自然からの恵みに感謝して、
そのお茶碗を大切に使っていました。

お茶碗を1回1回割ってリサイクルに出してくれれば、
売れる量が増えて、茶碗を作る職人さんも裕福な生活ができるでしょう。
しかし、本物の職人には、儲けることよりも、
物づくりの魂や自らの職業への忠誠心が上位にあります。


ペットボトルを作っているメーカーの社長さんは、大企業の社長さんです。
おそらく年収は数千万円で、裕福な生活をしているでしょう。
しかし、その社長さんは、「もの作りの心」を持っていないので、
何とかしてペットボトルを多く売ろうとします。
落としても割れない丈夫なペットボトルを
何とかして早く捨ててもらおうと策略を練るのです。

リサイクルが始まる前のペットボトルの生産量は、年間15万トンでした。
しかし、リサイクルが開始されると、生産量は年間55万トンに。
その55万トンのほとんどは、リサイクルされたペットボトルではなく、
石油から新しく作られたペットボトルです。

と多少割愛したけど、こんな感じで最近のエコ活動を語りながら、
生産者の人間には、「もの作りの心」を
消費者の側には、「ものに感謝する心」を

そして、役所には、「偽善」を教えてくれる一冊でありました。

そうかなぁと思う部分もありましたが勉強になりました。
人に優しく、自然に感謝して、物を大切にしていこうと思います。

8月27日



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