娘が東大に合格した本当の理由を読んだ感想
陰山英男先生の『娘が東大に合格した本当の理由』を読みました。
良い本でした。 読後感が爽やかで、前向きな気持ちになれる本でした。 星の数は5個(5段階)です。 生きる力を育てる知恵が学べて、 受験とか、東大とか、関係ない生活をしている人にも応用できます。
私は、不覚にも泣いてしまいました。 受験とは関係ないゴールデンレトリバーの話で・・・。 まさか、犬の話で泣かされるとは思っていませんでした。 動物って家族。動物の力は大きいです。
陰山先生の娘さんが、東大受験を決意したのは高校3年生の4月でした。 幼い頃から東大を目指していたわけではなく、 広島県の公立高校に通うごく普通の女の子でした。 なので、東大受験を決意したときの東大模試の合格判定はE判定。 合格の可能性は20%以下からのスタートです。
しかし、短期間でめざましい成長を遂げます。 もちろん全てが順調だったわけではありません。 1年目の受験は失敗し浪人します。 現役の時も浪人中も何度か挫折しそうになるんだけど、 その都度、周りの人に支えてもらいながら乗り越えました。
親は決断のタイミングは作っても、決断には関わってはいけないと思う。 なぜなら、自分にとって決定的に重要なことは、 やはり自分自身で決断させなければならない。 そうしないと、自分の人生に対する責任が育たない。 自分の人生に責任が持てないと、何かうまくいかないことがあったとき、 すぐ人のせいにしてしまうようになる。ここは本人の決断を待つしかないと決めた。
と陰山先生は著書の中で書かれているのですが、 娘さんがプレッシャーに負けそうになっても諦めなかったのは、 自分の意志で東大受験を決めたことが大きいように思いました。
やる気さえあれば何だってできるわけではないけれど、 やる気がなければ叶わないのが夢。 そして邪魔なのは「私にはできない」という思い込みです。
陰山先生は、百ます計算で有名になられたカリスマ先生です。 立命館大学教授や立命館小学校副校長をされながら、 あの大阪府教育委員会の教育委員に秋から就任されています。
彼の教育方針はずっと変わりません。 ●「早寝、早起き、朝御飯」の生活習慣確立 ●「読み・書き・計算」の徹底した反復学習
そして、娘さんの受験に対しても、やっぱり同じ事を語られていました。 ぐっすり寝てもりもり食べる!そして、毎日やること!
学力調査のデーターも掲載されていたのですが、 平均睡眠時間は7〜9時間が一番学力が高く、 それより短くても、それより長くても、学力は下がっていました。 食事との関係はさらに深く、朝ごはんを食べない人の学力は、 目も当てられない状態になっていました。
これは子どもだけの問題ではなく大人も同じ。 生きる力を低下させるのは、「不規則な生活」と「偏食」なんですよね。 わかっていても、丁寧に暮らすって難しい。(;>_<;)。
この本は、2部構成になっています。 前半は陰山先生の話で、後半は娘さんの受験体験記。 この娘さんの体験記がすばらしいのであります。 美しい日本語でわかりやすく素直な心で書き綴られていて読みやすい。 もし彼女がブログを書いていたら毎日でも読みたくなるような文章でした。 長くなったので、後半部分の感想は、また後日書きたいと思います。
最後に、もうひとつだけ陰山先生のありがたいお話を。 他にもいい話はあり、どれにするか迷ったんだけど、感謝の話にしました。
日本の社会は、人を学歴など表面的なもので判断する。(中略) しかし、そうした表面的な判断材料はすぐに過去のものとなり、 人格と能力と実績、そして協力し合える人間かどうかで判断する。 日本の社会で立派に生きるためには、 人に配慮し、素直に感謝できることが重要だ。
人間はひとりでできることなど、たかがしれている。 大切なのは感謝する心だ。 感謝する心のある人に援助は集まる。 自分が立派だと思った瞬間から、人は進歩が止まり、成長できなくなる。
そうなんだよね。 感謝の気持ちが足りなくなると、不平不満がたまり、 不平不満がたまると、心は病んでくるから、感謝って大事です。 でも、口先だけじゃ逆効果で、心から感謝しないと意味はないんだよね。
感謝できない時は、どんな時か考えると、無知なことが多い気がします。 厳しさの中にある愛情に気づけば、厳しくされても恨まないように、 感謝できないときこそ、自分の無知を知り、気づくことが大切だと思いました。
●陰山英男先生の娘さんの東大合格受験体験記 感想文の続きです。
ちょっぴりネタバレあり本の感想
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