陰山英男先生の娘さんの東大合格受験体験記
陰山英男先生の『娘が東大に合格した本当の理由』の続きです。 昨日も感謝のことを書いたけど、今日も感謝の気持ちの事から。
陰山先生の娘さんの行動ですごいなぁと感心したのは、 東大合格してから、お礼の挨拶をして歩いていること。 高校の先生や予備校の先生や友達に伝えるのはもちろんのこと、 両親がふたりで合格祈願してくれた北野天満宮や 祖父母がお参りした神社にも足を運びお礼参りしていました。
さらに驚いたのが、彼女の祖父母は、身体があまり元気でないのに、 合格を知った日は神社の雪かきをして、神様にお礼したそうです。 感謝は1日にしてならずというか、蛙の孫は蛙だね。
この本の第2部は、娘さんの東大合格受験体験記でした。 高校3年生の春、東大受験を決意してからことが語られています。
合格の可能性は20%以下であるE判定からのスタート。 娘さんの手記は、受験勉強の様子が具体的に書かれているので、 東大受験がいかに大変なのかよくわかります。 成績を伸ばすことも大変。でもそれ以上に大変なのは、 プレッシャーに負けない精神力を鍛えることでした。
何度か壁にぶつかるのですが、その壁を乗り越えるたび、 彼女は精神を強くする方法を学んでいきます。
他人と自分を比べないようにしよう。 比べる時はたいてい相手の優れているところと 自分の悪いところを比べるマイナスの視点から始まっている。
辛抱強く付き合う経験をすることが必要。 少々負荷を大きめにかけてやることで、初めて成長する。
「頑張る」という言葉は便利で簡単に言えるけど、 「頑張る」なんてわざわざ気合い入れなくてもいい、ただやればいい。 目の前の問題から逃げずに「やる」ことが大切なのだ。
10代でこんなに悟れるなんて。 彼女よりうんと年上の私の心にも響きました。 驚くくらいしっかりしたお嬢さんなのですが、 東大を意識した理由が今風の高校生で可愛らしいのです。
ひとつめが、東大生タレントとして活躍している八田亜矢子さん。 ふたつめが、父親に勧められて読んだ「ドラゴン桜」の漫画でした。 このふたつのきっかけが、今まで抱いていた東大の先入観を壊したようです。
彼女のお母さん、つまり陰山英男先生の奥さんの存在も大きいです。 「なんで東大なん。京大にしなさい」と最初は反対した母。 勉強ばかりしている娘に、「買い物行こう」「お寺見行こう」と誘う母。 勉強道具にマジックで落書きをする母。などなど。 おもろいお母さんなのです。 お母さんの存在が息抜きになっているところがいいなぁと思いました。 もっとも娘を和まそうとして、意識的にしていたんだと思うけど、 これも、お父さんに威厳があるから出来ることなんだと思われます(^^)。
彼女は、そんな風にいろんな人に支えられ成長しました。 私がいちばん好きだと思った人は、高校の数学の先生です。 1年目のセンター試験でパニックした彼女へのアドバイスは最高でした。 たった一行で私のハートは鷲掴みされましたよ。
陰山先生は「うまく失敗する青春こそ人生に成功する秘訣だ」 と語られていましたが、浪人してずいぶん強くなった娘さん。 失敗や挫折も乗り越えると意味があることがわかる点でも良い本でした。
賢者から学ぶ心を豊かにする生き方
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