WOWOWドラマ「空飛ぶタイヤ」が、おもしろかったぁ〜。 全5話だったんだけど、毎話毎話、想像を超えるおもしろさでした。
三菱ふそう欠陥車問題がもとになった話だから内容は重い。 だから、笑える面白さではなく、満足するおもしろさなのですが、 WOWOWに加入してよかった〜と思えるくらい大満足です。
山崎豊子さんの「白い巨塔」やNHKの「ハゲタカ」など 社会派ドラマが好きな人は、きっとはまると思います。 DVDが発売されたら、(買うかレンタルして)見る価値ありです。
原作は、池井戸潤さんの小説(空飛ぶタイヤ)。 タイトルをはじめ聞いたときは、ファンタジーかと思いましたが全く違いました。 想像する内容と違っていたけど、このタイトルがぴったりです。
ここからは、ちょっとネタバレあり感想です。 核心部分はネタバレしないように気をつけますね。
小さな運送会社のトレーラーが事故を起こします。 走行中にタイヤが外れ、散歩中の母子に直撃し、母親が死亡する事故。 事故を起こした運送会社は、事故原因は整備不良だと決め付けられ、 一気に会社の信用を失い、倒産の危機にさらされます。 しかし、本当の原因は、大手自動車メーカーのリコール隠し。 その真実を運送会社の社長が自分で突き止め、 大手自動車メーカーという巨大企業に立ち向かっていく話。
運送会社の社長の気持ちも、妻の気持ちも、社員の気持ちも、 巨大企業の偉くて悪い人も、社員も、奥さんも、警察も、週刊誌の記者にも、 とにかくありとあらゆる人に感情移入できるくらいリアリティがありました。
もし、私の大切な人が理不尽な事故で死んだらどうするだろう。 もし、自分の部下が事故で人を殺したらどうすればいいんだろう。 もし、夫が社会的制裁を受けたとき、どう支えてあげればいいんだろう。 もし、会社に不正が発覚したとき、私なら誰を守っただろう。 もし、会社の不正を知ったとき、私は告発できるだろうか。 などなど、自分に置き換えていろんな事を考えさせられました。
演出も上手いんだよね。 カメラの撮り方が独特で、予告編の作り方がこれまたうまい。 最終回は違う結末を予想して、最後まで落ち着きませんでした。
民放もこんなドラマを作れたら、ここまで視聴率が落ちることもないだろうに、 スポンサーや芸能事務所などしがらみが多くて難しいんだろうな。
バーニングプロダクションを辞めて独立した水野美紀ちゃんも出てました。 独立してからすっかり民放ドラマに出なくなったけど、いい演技してました。 彼女だけでなく、演技派俳優ばかりだったから、おもしろさ倍増。
ひさしぶりに見た袴田吉彦くんがいい男になってました。 顔はもちろん、声がさらに渋くなり、背広が似合ってました。 あと、仲村トオルの息子が小清水一揮くんだったんだけど、 三丁目の夕日と比べるとかなり大きくなっててびっくり。 もうすぐ声変わりしちゃうんだろうな。なんか寂しい(笑)
ここまで褒めまくりですが、しいて不満を言うなら、 國村隼とミムラの関係が不自然でした。 なんで姪と叔父にしたんだろう、あそこまで溺愛する? するかもしれないけど想像できなくて。 親子のほうがもっと感情移入できたような気がします。 それともこれも実話に基づいているのかしら。
4月28日
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