人間は、自分を守ろうとすると、弱くなり、 大切な人を守ろうとすると、強くなるんだなぁ、
と、先日の篤姫(25話・母の愛憎)を観て思いました。 篤姫を観てない人もいると思うので、簡単に説明すると、
徳川家定(13代将軍)には、子どもがいませんでした。 家定は身体が弱かったので、子どもは無理だろうと思われていました。 だから、次期将軍の座をめぐって、大奥でも争いが勃発していました。
家定の母親(本寿院)は、南紀派の家茂(14代将軍)を推していました。 家定の妻(篤姫)は、一橋派の慶喜(15代将軍)を推していました。
家定の母親は、ドケチな一橋派の徳川斉昭が大嫌いで、 もし、慶喜が将軍になったら、また倹約を強いられそうで、 そんなの嫌だぁ〜それだけは阻止しなければぁ〜ということで、 慶喜を推している、篤姫に憎しみを抱くようになりました。
そして、家定が倒れたことをきっかけに、憎しみはさらにエスカレートし、 家定が篤姫に会わせろと望んでも、篤姫から会いたいと懇願されても、 あれこれ嘘の理由をつけて、ふたりを会わさないようにしていました。
そんな母親の嘘に気がついた、家定は母親に自分の気持ちを伝えます。 (現代風に言葉を変えてます)
今まで育ててくれて、ありがとうございます。 いつも心配してくれて、ありがとうございます。 私がこれまで生きてこられたのも母上のおかげです。
しかし、私も大人になりました。 これからは私が母上の心配をする番です。 どうか心安らかに過ごしてください。
一方、大久保利通の母親。
大久保利通が、仕事のため、初めて薩摩から外に出ていきます。 ワクワクして仕事に行くんだけど、そこで惨めな思いをします。 しかも、親友の西郷隆盛との実力の差を見せつけられ、激しく落ち込みます。
落ち込んで帰った大久保利通は、母に自分の決意を伝えます。
母上、おいは悔しかです。 おいは、おいは、今日から鬼になりもす。
すると、母は息子に言います。
あなたが鬼なら、私は鬼の母になるだけのこと。
そして息子に優しく微笑みかけます。 なかなか子離れできない家定の母とは対照的な大久保利通の母。 これが、これが、かっこよかったのであります。
息子に「鬼になる」と言われても、取り乱さない母。 理由も聞かず、息子の背中を押してあげる母。 「私は鬼の母になるだけのこと」という言葉の裏には、 あなたがどんなあなたでも、私はあなたの味方だから! というあったかい母のメッセージを感じて、 これほど心強い応援はないよな、と思うと感動しました。
家定の母にも、息子への愛は十分感じるんだけど、 どちらかというと自分のプライドを守ることに必死な家定の母と、 息子のプライドを守ろうとする大久保の母を見ていると、
人間は、自分を守ろうとすると、弱くなり、 大切な人を守ろうとすると、強くなるんだなぁ、 と思ったのでありました。
おまけ。 篤姫と家定のプラトニックラブに胸きゅんです。 寝ている家定の手にちょこんと触れる篤姫の仕草に萌えました。 決まり事の多い大奥で、突然、会いに来てくれたら燃えるだろうなぁ。
6月27日
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