篤姫と幾島、松坂慶子のインタビュー
今回(31話・さらば幾島)は、 篤姫と幾島の別れのシーンがよかったです。
あなた様はまこと大きゅうなられました。
幾島が篤姫を愛おしそうに見つめる目、 その目から溢れでてくる涙が、あまりにも美しく、 ストーリーだけでなく、松坂慶子の演技も素晴らしいから、 私も幾島や篤姫にもらい泣きしてしまいました。
篤姫の雑誌で、松坂慶子さんがインタビューで、 幾島と篤姫との別れの場面は、 台本10ページにもわたる長時間の撮影で、 スタッフの熱意をひしひしと感じながら演技した、 というような事を語っていたけど、 ふたりの演技からもそれが伝わってきました。
途中、篤姫と幾島の回想シーンが流れたのですが、 篤姫も幾島も、微妙に演技が変わっていて、 短期間なのに、成長しているんですね。 松坂慶子さんも宮崎あおいちゃんも凄い女優さんです。
ただ、変わったのは演技だけではなく、 篤姫の幾島に対する思いもずいぶん変わりました。 幾島に出会った頃の篤姫は、 「私はそなたが嫌いじゃ」と言っていたのに、 「そなたは本当に私のそばから離れなかった」 と別れの場面では感謝の念を抱くようになります。 いつの間にか篤姫にとって大切な人になっていた幾島。 信頼を深めていくと、人の気持ちなんて変わっていくんですよね。
幾島を見ていると、菊本を思い出します。 自分の存在が篤姫の汚点になってはいけないと自害した菊本。 自分の存在が篤姫の邪魔になるだろうと去っていく幾島。
菊本も幾島も、篤姫を輝かせることに命を燃やし、 篤姫を思って、篤姫の元を去っていくわけですが、 仕事とはいえ、他人のためにあんなにも一所懸命なれることに尊敬します。
自分の身の丈を知ることと同じくらい難しいのが引き際です。 どんなに素晴らしい功績を残したとしても、 引き際のタイミングを間違えると、みっともなくなります。 いつまでも過去の栄光や権力にしがみついていると思われこともあります。 親離れや子離れも同じなのかもしれません。
自分のためでなく、篤姫のためを思い、 その上で自分の引き際を決断した幾島と菊本には、 引き際の美学を見させていただきました。 もしかすると、引き際は、男より女のほうが美しいのかな。
幾島には大河ドラマでまた会える日が来るようです。 成長した天璋院と幾島の再会が楽しみです。
大河ドラマ「篤姫」の感想
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