WOWOWドラマ「ママは昔パパだった」
録画していたWOWOWドラマ「ママは昔パパだった」を観ています。 タイトルから内容は想像できると思いますが、 性同一性障害を抱える母親(戸籍は父親)の話です。 母親役はアンパンマンの戸田恵子さん。
内容は重いので、やるせない気持ちにさせられるし、 切なくもなりますが、ほっこりあったかい気持ちになるドラマです。
主人公は物心ついたときから心は女なんだけど、 外見が男で男として生きているとき、会社の女性と結婚し、 体外受精で二人の子供を授かります。 しかし、親になったことで、女性になりたい気持ちが抑えられなくなり、 病院で診断してもらうと性同一性障害だったことがわかります。 動き出した気持ちは止められず、性別適合手術を受けることを決意し、 妻にカミングアウトしますが、妻は耐えられなくなり家を出て行きます。 愛した夫がこれから女になっていくのをどうしても見たくなかったのです。 妻とは離婚し二人の子供は戸田恵子が引き取りひとりで育てていきます。
それから10年。 戸田恵子は身も心も完全に女性になっていました。 息子達も真実を受け入れ、母親を支えていました。 しかし、2004年に施行された「性同一性障害特例法」では、 たとえ性同一性障害と診断され、性別適合手術を受けても、 子供がいる人は性別を変更することは認められていませんでした。
シングルマザーの戸田恵子は、男であることが世間にばれるたび、 偏見の目で見られ、本人はもちろん子ども達も差別されました。 実の母親にまで受け入れてもらえず、孫にも会ってもらえないのです。 でも、素直に受け入れられない母親の複雑な気持ちもわかるし、 母親と娘(息子)の間で揺れる父親がこれまた健気で泣けるのです。
そんな時、別れた妻が突然現れ、子ども達を引き取りたいと言ってきます。 最初は、何が何でも別れた妻は息子を取り戻そうとするんだけど、 素直に育った息子達を見て別れた妻(生みの母)は考えを改めます。
生みの母親は、余貴美子さんが演じているのですが、 性別なんて関係ない、元夫婦なんて関係ない、 人間として彼女が好きだから友達として付き合おうとします。 私がもっと若かったら理解できなかっただろうけど、 友情は性別を乗り越えられることがわかってきたので、 彼女たちの友情に共感できると同時に羨ましくなってきました。 二人の会話がいいんだよね。エロイ話までかわいくて。
そして、戸田恵子が暮らすマンションの隣に越してきた シングルファーザーの吉田栄作がかっこいいのです。 こんちくしょうって腹立つくらい王子様なの。
よき理解者なんだけど、無知であることには正直で、 詮索はしないけど、聞いて欲しいことは聞いてくれるし、 守ってくれるし、味方になってくれるし、あ〜うらやましい(笑) 小学生の子どもより、戸田恵子と吉田栄作の二人がうぶなので、 ユーミンの「人魚姫の夢」が流れるたび、きゅんきゅんしてきます。
吉田栄作は「だんだん」の父役も「再生の町」の市長役もよかったし、 吉田栄作を見る機会が多くてファンになりそうです。
ちょっぴりネタバレありWOWOWドラマ
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