阿曽山大噴火と辛酸なめ子のB級裁判傍聴記
B級裁判傍聴記を読みました。 裁判の傍聴記です。 笑っちゃいけないんだろうけど、笑ってしまうおもろい本です。
テレビや新聞で伝えられる裁判は、残酷な事件ばかりですが、 ほとんどの裁判は、報道されることもない小さな小さな裁判です。 「B級裁判傍聴記」は、そんな小さな裁判を傍聴した記録です。
この本には変な人がいっぱい。裁判官や弁護士までも個性的。 私も何度か傍聴したことがあるので、想像できるのですが、 まことに事実は小説よりも奇なりであります。
【B級裁判傍聴記の一部です】
★ニセ札を作るのは、大がかりな計画と準備が必要です。 個人でするには実に割にあわない犯罪なのであります。 そんな大変なニセ札づくりを普通の主婦がやってしまいました。 普通の主婦が使った道具は、自宅のFAX付きコピー機。 作ったニセ札は、明らかにニセ札だとわかるお粗末な粗悪品でした。 紙は普通のコピー用紙を使い、裏表をのりで貼り付けた簡単なもの。 しかし、驚くのは2軒も騙せたこと。3軒目でバレました。
★被告人は、個人で貿易業を営む74歳。 海外から日本の銀行に、22万6800円が振り込まれるはずが、 銀行のミスで22万6800ドル(日本円で約2400万円)が誤送金されます。 なんと銀行はドルと円を間違えちゃいました。そんな事があるんですね。 正直に言えばよかったのに、被告人は、お金を他の銀行に移します。 そして、家を購入します。家です。家。74歳にしてローンを組んだのです。 これって誤送金がなければ起きなかった事件だけど、詐欺罪になるそうです。
★被告人は、警察に憧れる警察マニア。 ニセの制服を着て警察になりきっているところを たまたまその場に居合わせた私服警官が偽りを見抜き逮捕しました。 私服姿の人が、制服を着ている人を逮捕です。 電車の中だったので、周りの乗客もさぞビックリしたでしょう(笑) 不思議なのが、そんなに警察が好きなのに、試験に4回も落ちたそうです。
こんな感じのゆるい裁判が40件紹介されていました。
もうひとつ。 法廷でマジックーショーをした証人の話もおもしろかったです。 この証人さん、嘘を言ったら偽証罪になってしまう法廷で、 セロやミスターマリックの種明かしを連発したそうです。 あ〜簡潔にうまくまとめるのは難しいです。 やっぱり、阿曽山大噴火が話すから、この本は面白いんだろうな。
ラジオなどで彼の話を聞いたことがある人は、 彼の声や話し方を想像して読めるので、おもしろいと思われます。 最後は裁判員制度についての辛酸なめ子と対談がありました。
ちょっぴりネタバレあり本の感想
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