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湊かなえの小説「告白」を読んだ感想

先日、「告白」の映画を観ました。

「告白」の小説を読み終えたとき、面白かったから、時間があるとき、ゆっくり感想を書きたい〜なんて思っていたら、読み終わってから2ヶ月以上も経ち、映画まで見てしまいました。のんびりしすぎですね。とほほ。

このままでは、共倒れしそうなので、まずは小説の感想を書きたいと思います。

ネットで本が買えるようになりずいぶん便利になりました。でも、私は本屋さんが好きです。好きな理由はいろいろありますが、そのうちのひとつが店員さんが書いている手書きポップ。

最近はどこの本屋に行っても見かけるようになり、有り難みが薄れつつありますが、この手書きのポップを読むのが楽しみなのです。内容もなんだけど手作りの温かみがあっていいなぁと思って。

「告白」は、どこの書店でも絶賛の荒らしでした。そんなに面白いなら読ませていただこうじゃないかと手に取ったのですが、一頁目をめくった途端、改行のない文章に圧倒され読む気が失せました。

松たか子主演で映画化され話題になり、また読みたくなったんだけど、やっぱり撃沈。そんな時、摩子ちゃんが「面白かった」と教えてくれ、摩子ちゃんが薦めてくれる本はいつも私好みなので「告白」も読むことにしました。

告白は、今まであまり読んだことのないタッチの小説でした。最初、あんなに抵抗感があった改行の無い文章も、読み進めると全く苦にならず、逆にこの文体だからこの小説は読ませるんだと感心したほどでした。

物語は第1章から第六章まで続きますが、とくに第1章の完成度の高さは一級品。おもしろい小説でした。食わず嫌いで終わらせなくてよかった。摩子ちゃん教えてくれてどうもありがとう。

では感想を。
なるべくネタバレしないよう書きますね。

第一章は、森口先生の告白。
頭の中で松たか子をイメージしながら読みました。
最後まで松たか子の喋り方で読んでいました。

第二章は、クラス委員長の北原美月の告白。
やることなすこと空回りしてしまう新任教師のウェルテルに注目。
無知というのは恐いなぁと思いながら読みました。

第三章は、少年Bの母親の日記(を読む次女)。
第一章と第二章で受けた母親の印象が違うことに驚きました。
日記は基本的に自分に都合よいことしか書かないもの。
だからだとは思うけど、他人から見た母親と当人とのギャップが
あまりにも大きく、その差がなかなか面白かったです。内容は恐いけど。

第四章は、少年Bの告白。
彼はどうしてそうなったのか知りたかったので、
答え合わせを読んでいるような感覚で読みました。
想像通り過ぎて意外性はなかったけど、だからこそいろいろ考えてしまいました。
悪い子じゃないんだよね。
ほんのちょっと何かが違っていたら、別の人生があったと思う。

第五章は、少年Aの告白。
男の子はマザコンだよね。
ただ、少年Bが母親から溺愛されたのと違い、少年Aは愛情に飢えていて、
彼の生い立ちを知るにつれ、ちょっぴり同情しそうになりました。
せっかく頭がいいのにもったいない。
しかし、頭が良くても、人生は自分の思い通りには運ばないものなのです。

第六章は、森口先生の告白。
ものすごい後味悪い終わり方。なのに充実感のある終わり方。
これが実話なら嫌だけど、小説としては見事なラストだと思いました。

「告白」は、母と子の物語だと思う。
そして、面白いくらい父親の存在感がない物語。
悲劇の根っこは、ここにあるような気がします。

ひとつだけ気になるのが、北原美月の生い立ち。
こんなに事件を丸裸にしてくれるなら、
北原美月の両親も登場して欲しかったです。
少しだけそれらしき描写はあったけど、
もし、あえて登場させなかったのだとしたら、
その理由を港かなえさんに聞いてみたいです。

事件とあまり関係ないんだけど、第1章のカルシウムと亜鉛の話は好きです。
私も例え話が好きなので、なんか共感できました。
まだまだ書きたいことはあるんだけど、これで終わりにします。

ちょっぴりネタバレあり本の感想


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