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加藤沙耶香がフジテレビ「もしも」実験

携帯電話が無いと生きていけない!
という人は何歳くらいからなんだろう?

携帯電話が本格的に普及したのは1994年です。
その頃、高校生だった人は、30歳前後になっています。
ということは、30歳以下の人は、その上の世代より
携帯電話が当たり前のように生活に密着しているんだよね。


この前、フジテレビの「もしも」という番組を見ました。

日常生活の中で普段当たり前だと思っていることが、
ある日突然できなくなったら、人はどうなるのか?
という仮想実験をタレントが体験するドキュメント番組。
司会は中野美奈子アナと椿原慶子アナ。


この日、仮想実験をしていたのは、加藤沙耶香というアイドルでした。
1985年生まれの23歳。携帯電話が無いと生きていけない世代です。

彼女が体験した仮想生活実験ドキュメント「もしも」は、
「部屋の家電が20年前にタイムスリップしたら」でした。

まず、10年前の家電にタイムスリップです。
例えば、薄型テレビからブラウン管テレビ。
ニンテンドーDSからプレステーション。
DVDからビデオデッキ。
ご丁寧にDVDに録画されていた物はビデオテープに移し替えられていました。
狭い部屋にビデオテープが積み上げられていて、彼女は涙目に。
そして、携帯電話は黒くて重い機種に変更です。
10年前の携帯なのでメール機能は付いていません。
可愛らしくデコレーションされていた現代の携帯は没収です。
「携帯だけは許して〜」と訴えていましたが、許して貰えずあきらめます。

長くなるので、その時の様子は省略し、次は20年前の家電です。
例えば、洗濯機は全自動洗濯機から二槽式洗濯機になりました。
部屋の電話は、留守番電話もファックス機能もないプッシュホン電話。
プレステーションが消え、懐かしのスーパーファミコンが登場です。
ここまで時代が戻ると、かなりパニックしている加藤沙耶香ちゃん。
携帯電話の無い時代だから、携帯電話も没収です。
激しく抵抗していましたが、仕事なので許して貰えませんでした。

泣きながら母親に電話をかける加藤沙耶香ちゃん。
悲しいかな、覚えている電話番号は、実家だけだったのです。
「今の子は携帯がないと生きていけないからね、でもね・・・」
と母親は電話口で優しく彼女を慰めていました。

面白かったのは、ここからです。
翌日、アイドル仲間の友達2人と仲良し3人組で
横浜の八景島に遊びに行く約束をしていました。
お目当ては、午後5時から始まるイルカショー。
待ち合わせは「横浜駅」に午後2時です。

携帯電話の無い時代は、「横浜駅」なんて約束は考えられません。
「ルミネの前ね」「そごうの時計の前ね」「西口交番前ね」
と具体的な場所を待ち合わせ場所に指定していたものです。

しかし、携帯電話が当たり前のように生活に密着している彼女たちは、
横浜駅に着いてから確認すればいいや、と思ったのでしょう、
待ち合わせは、「横浜駅」としか約束していませんでした。

横浜駅は広いです。
地下鉄もあるし、JRもあるし、駅の出口だけで何カ所あるの?
私もよく知らないくらいたくさんあります。

加藤沙耶香ちゃんは携帯を没収され、連絡ができません。
友達の電話番号を覚えていないので、公衆電話からもかけられませんでした。
そして、友達は、彼女が携帯電話を持ってないことを知りませんでした。

加藤沙耶香ちゃんは、友達はJRで来るので、JRの駅で待ってました。
友達は、沙耶香ちゃんは地下鉄で来るので、地下鉄の駅で待ってました。
どちらかが動けば、どちらかが動き、すれ違います。
すごく近くまで接近した時もあったのに、気がつきません。

友達は、沙耶香ちゃんの携帯に電話をかけます。
しかし、何度かけても繋がらないから、本気で心配しています。
沙耶香ちゃんは、待ち合わせの場所をちゃんと決めておけば、と後悔します。

結局、イルカショーの時間が近づいてきたので、
沙耶香ちゃんは「友達が先に八景島に行ってますように」と願いながら、
横浜駅から八景島にひとりで電車に乗って向かいます。
しかし、友達は、沙耶香ちゃんが心配で、まだ探し回っていました。

イルカショーの会場に行っても、友達はいません。
楽しみにしていたイルカショーだったけど、彼女が見ているのは客席ばかり。
ひとりで楽しむこともできるけど、楽しむ気持ちになんてなれません。
涙が自然と溢れてきます。
でも、泣いていては探せません。涙を拭いて友達を探します。
しかし、友達は見つかりません。
ショーが終わったとき、沙耶香ちゃんはしゃがみ込んで泣いていました。

その後、3人で予約していたレストランに向かう彼女。
そこにも、やっぱり友達はいませんでした。
その頃、友達は、まだ横浜駅で沙耶香ちゃんを探していました。

レストランの中で待つ沙耶香ちゃん。
待っても来ない友達。
予約時間が過ぎ、レストランから出た後も、レストランの前で待ち続けます。
スタッフから「もう帰っていいよ」と言われても待ち続けます。

待つこと、2時間くらいだったかな?
友達がレストランにやってきました。

友達を見つけた途端、溢れてくる涙。
ぬぐってもぬぐっても、彼女の目から溢れてきます。
「心配したよ〜」と近づいてくる友達に、
沙耶香ちゃんは走って駆け寄り、抱きついて泣いていました。
今までの時間を友達に説明しようとするんだけど、涙で上手く話せません。

今までの人生で、こんなに友達のことを思いながら待った待ち合わせは、
生まれて初めてだった、というようなことを沙耶香ちゃんは後で語っていました。

携帯電話が無いだけで、こんなに盛り上がるなんて、私もビックリです。
携帯電話ってすごく便利な道具なんですね。
だけど、携帯のない不便さは、友情を深めてくれるようです。

待ち合わせの場所ひとつにしても、
携帯が無かった時代は、友達とたくさんの会話を交わし、
その会話だけでも、コミュニケーション力は高まっていたのかもしれません。
携帯が無い時代は、友達の電話番号もたくさん覚えていたしね。

便利な物ってあると本当に便利だけど、頭や心を使わなくなることがわかりました。
待っている時間って無駄な時間なんだけど、
そういう無駄な時間が育てる心があることもわかりました。
たまには、携帯電話を持たない1日を作るのもいいかもしれないね。
倦怠期を迎えているカップルは、良い刺激になるかもしれません。


今週は、40年前の家電に戻るみたいです。
20年前の家電は、沙耶香ちゃんが生まれた頃の家電。
私にとって、20年前の家電は珍しい物じゃないけど、
40年前の家電を想像すると、パニックになる気持ちがわかります。
今週の彼女は、どうなるのだろうか・・・。

実は、サウナの中でこの番組を見ていました。
沙耶香ちゃんが友達にやっと会えた時は、私もサウナの中でもらい泣きです。
ふと横を見ると、隣にいた見知らぬおばさまも、もらい泣きしていました(笑)
そして、その見知らぬおばさまと目が合ってしまい、ふたりで笑ってました。

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