橋田壽賀子の夫婦の格式で家庭崩壊を救う
家族、夫婦、親子、男女の関係がずいぶん変わってきました。 一昨日、文科省が公表した「児童生徒の問題行動調査」によると 校内暴力は低年齢化し、小学校では37%も増加していました。
ベテランの先生も手に負えない児童が増え、 気にいらないと机を投げたり、隣の子を殴ったり、 「うるせえ。くそばばあ」と先生に暴言を吐くそうです。 先生も大変です。おつかれさまなのです。
最近、橋田壽賀子先生の夫婦の格式を読みました。
橋田先生は、そんな未熟な社会や崩壊していく家庭を嘆かれていました。 家族を再生するには、まず夫婦の再生が必須であると痛感された先生は、 夫婦の格式のなかで、夫婦が仲良く暮らしていく知恵を書かれています。
なんたって、先生は大正生まれです。 戦前の教育を受け、戦前の価値観も大事にされている方なので、 書かれている内容は、若者から見たら驚くくらい時代錯誤です。
夫婦の間では男女平等はありえないのです!
とまで断言されていました。 こういう事を言える人は少なくなりました。 橋田先生と同じくらいの地位がある男性が言うと、 あっという間に問題発言になって大騒ぎになっているでしょう。
しかし、先生は、男のためでなく女性のために言っています。 女が男女平等を叫ぶたびに女がどんどん不利になっている、 女の値打ちが下がっている、と心配されていました。
男は女を変えられないけど、女は男を変えられる。 女は自分を変えることで、男も変えることができる。 女が賢く生きれば、夫も家族も幸せになり、 そして自分自身の幸せにも繋がっていく。 夫婦の再生のためには、女が変わらなければならない。 家庭崩壊を救うのは女だからこそできることがあるようです。
だからなのか、本の8割ぐらいが、女性へのメッセージでした。 とにかく、女が賢くなりなさい!と女性に大変厳しいです。 でも、大丈夫、ちょっとだけだけど、男性にも厳しいです。
女は、結婚したその日から、離婚を考えている!
なかなかセンセーショナルな脅しです。 そこで男性へのアドバイスは・・・。
女が欲しいのは言葉。 男が思っている以上に、女には言葉が大切なのです。 「苦労かけるね」 すると女は幸せになれる。 「たいへんだったね。ありがとう」 それだけで、女は癒されるものなのです。
一言で、女は優しくなれるのです。 その一言で得するものを、どうして男はできないのでしょう。
男が勘違いしている女の指摘も鋭いです。
★ 男が求めているのは母性です。 男は、子どものときは、母親の母性を肌で感じとる。 そして、結婚してからは、女房に母性を見いだそうとする。
ところが、哀しいことに、 男には、この二つの母性の違いがわからないのです。
母親の母性は無条件。 女房の母性は条件つき。 これが男にはわからない。
★ 女は情で結婚できるが、男が求めているのは愛だけ。 だから、情も愛だと勘違いしてしまう。 男はいつまで経っても女に愛を求め続ける。 ところが、女の愛は年とともに情に変わってしまう。 それに男は気づかない。 男は変わる女に無知でいるのです。
だからこそ、女は美しく賢く生きなければならないそうです。
本の中では、先生自身の結婚生活についても語られていました。 ご主人が亡くなられて20年経った今でも部屋はそのままにしているそうです。
彼は、いまも、わたしといっしょにいる。 ずっとそのまま、ごくふつうに、わたしのそばにいる。
ときどき、「ご飯をつくらなきゃ」と飛び起きることがあるそうです。 実は、私も同じようなことを経験しています。 「テスト前なのに寝てしまった」とあわてて飛び起きています。 もう何年も経っているのに、苦痛だったみたいです。
それから、脚本家としての裏話もありました。 百恵ちゃんの赤いシリーズの一部が橋田壽賀子先生だったことも、 「おしん」が昭和天皇に観て欲しくて書いた作品だとは知りませんでした。
【結婚】こまったときはおたがいさま
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