かるい気分転換

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行列のできる法律相談所のオークション

フジテレビの「サキヨミ」を観ようと思ってテレビをつけたら、
チャンネルは日テレで、番組は「行列のできる法律相談所」でした。

いつもなら、チャンネルを変えるんだけど、
ちょうど長渕剛さんが書いた絵のオークションをしていて、
いくらで落札されるか気になり、そのまま観てました。
オークションの落札額は８００万円。
えええ凄すぎる。みなさんすごく熱かったしビックリしました。

オークションで集めたお金は、カンボジアの学校建設に使うそうです。
「１００枚の絵でつなぐ！カンボジア学校建設プロジェクト」。
長渕剛さんは記念すべき１００人目の有名人でした。


そして、その後、その後が泣けました。
カンボジアの学校建設にボランティアで参加された社長さんが紹介され、
１０分くらいの話だったのに、テレビでこんなに泣くのはひさしぶり。
ひざに開けていた新聞が涙で濡れていました。


社長の名は田村さん。田村さんは北村弁護士の絵を落札した人でした。
スタッフは絵を届けるとき、建設会社の社長さんだった田村さんに、
学校でタイル貼りをしてくれる職人を紹介して欲しいとお願いしました。
すると「自分がします」と自分から志願しボランティアで参加することに。

すごく熱心な方なので、不思議に思ったスタッフが事情を聞くと、
予想どおり事情のある人でした。

田村さんには娘がいました。初めての子どもです。
あやかと名付け夫婦で大切に育てていました。
しかし、あやかちゃんが生後６ヶ月のとき、病気が発覚します。
ウェルドニッヒ・ホフマン病という難病で、
医者からは「短くて半年、長くても２、３年」と宣告されます。

しかし、あやかちゃん生きることを諦めませんでした。
人工呼吸器をつけて、両親に看病してもらいながら、
４歳、５歳、６歳、７歳と歳を重ねていきます。

あやかちゃんは、お父さんに言うんです。
「明日だめになるかもしれない。でも、今を一生懸命生きるよ」

１０歳のとき、あやかちゃんは亡くなりました。
長くて３年といわれていた娘が、１０年も生きたことは奇跡でした。


その後、カンボジアでは、勉強したいと願う子どもが、
元気なのに学校に通えない現実を田村さんは知ります。
その姿は、勉強したくても勉強できなかった自分の娘と重なります。
亡くなった自分の娘のためにも、カンボジアの子どもに勉強させてあげたい
と願うようになり、オークションに参加しました。


田村さんは、１００枚のタイルを貼りにカンボジアまで行きました。
タイルには今まで学校を建てるために描かれた有名人の絵があります。
それを１枚１枚、丁寧に学校の壁に貼っていきました。

最後の１枚は、サプライズで番組からのプレゼントでした。

プレゼントを開けると、そこには娘の笑顔が。
最後の１枚には、あやかちゃんが笑っている似顔絵が描かれていました。

あやかちゃんの笑った顔を見たとたん、田村さんは泣いていました。
嬉しい、と泣いていました。ずっと見つめていました。

娘の似顔絵が描かれているタイルを貼り終えた田村さん。
キスするんです。タイルに。
タイルに描かれた娘にキスをするのです。

その姿は美しすぎて、思い出してもまた泣けます。
勉強したくても勉強できなかったあやかちゃん。
やっと学校に通えるね、そんな風に思うとまた泣けてきました。


勉強するのが夢だった。

カンボジア学校建設プロジェクトで集まったお金は、
１億６９９６万４３００円でした。

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