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飯島愛の両親とプラトニックセックスの感想

飯島愛ちゃん。
ショックです。自分より若い人の訃報を聞くのはつらい。
死因はまだわかりませんが、死後1週間は経っていたそうです。
とりわけファンというわけでもないけれど悲しいです。

先日、厚生労働省が性生活に関する調査結果を発表していました。
「セックスレス」ばかり注目されていましたが、私が気になった結果は、
中学生のころに「母親が嫌い」「朝食を食べない」と答えた人ほど、
初体験の時期が早い傾向がある
ことがわかったことでした。

飯島愛ちゃんの初体験も早いです。
中学生の頃は虞犯少年でした。
(虞犯少年とは、将来罪を犯すおそれのある少年少女のことです)
彼女の自叙伝、プラトニックセックスの中でも
中学生の頃、両親をとても憎んでいたことを告白しています。
本の書き始めは親への恨み辛みであふれています。
14歳で家出して23歳になるまで一度も実家に戻っていません。
中学生で家出するなんて・・・尋常ではありません。

昨日、寝ながら、プラトニックセックスを読んでみました。
中学生の頃、仲間だった友達のことが書いてありました。

●兄とも弟とも父親が違う美恵子。
 病気で学校を早退したら、家の中で見知らぬ男と母親が寝ていた。
●遠足のお弁当にいつもマクドナルドの冷めたハンバーガーを持たされていた恭子。
●苗字が変わったのがイヤで、学校に行けなくなった理佐。
●昼間から酒を飲んでいる、アル中の父に殴られていた誠一。
●給食費が払えずに集金の時間、一人だけ体を固くしていた絵里。
●手首を切ったお母さんを病院に何度も連れて行ったことのある勇樹。
●愛人の娘だと学校でいじめられていた綾。
●交通事故で両親を亡くし、親戚中をタライ回しにさせられていた隆。



彼女の仲間は、家にも学校も居場所を見つけられない子が多く、
愛情に飢え、寂しい心を癒すため、歌舞伎町をさまよい、仲間を見つけ、
私はこんなに可哀想な子どもなんだからと犯罪を繰りかえしていきます。

子どもは親に、二度、反抗期という形で自立を主張します。
その時、どんなに子どもが理解不能になっても、
親は子どもを見捨ててはいけないと思う。
中学生の頃にやってくる反抗期は、3歳の頃と違い、
親の威厳や暴力は通用しない。むしろ逆効果。

愛ちゃんの両親は、娘をぼこぼこに殴り、友達と比較し、
彼女の親友の悪口を言い、彼女をなじり、責め続けました。
彼女の話は全く聞こうとはせず、暴力でねじこめようとしました。
そして、彼女を見捨てました。


「愛」という名は本名ではなく源氏名です。
「愛」と呼ばれるようになったのは16歳でした。
彼女は16歳で水商売デビューをします。
そしてそこからどんどん堕ちていきます。
彼女の側にはいつも「お金」と「男」と「孤独」がありました。

大好きな男と身体を重ね、そして帰ってしまった後は、
寂しさで狂いそうになってしまう。
寂しさを埋めたくて、どうでもいい男とセックスをしてしまう。

寝れば寝るほど、どうしようもなく私の中の空白が広がっていく。

それを埋めたくて、また誰かと肌を合わせる。
優しい気持ちになって、人を好きになって、
裏切られて、傷ついて、立ち直れなくて、嫌な人間になってしまう。

愛のないセックスはなぜこんなにも長く感じるんだろう。


プラトニックセックスを読むと、彼女の孤独さが伝わってきます。
幼い頃、ちゃんと愛されていないから、愛されることに貪欲です。
本の中では何でもオープンに語っているように見えるけど、
本当のことはあまり書かれていないような感じがしました。
まだまだ抱えていることがあるような感じが伝わってきました。

奇妙な因果も感じました。
愛ちゃんは、16歳の頃、同棲していた彼が
更生させる施設に入院し、家なし娘になります。
その時、彼女に身体の関係を求めず、何の見返りもなく、
家の名義人になり、多額のお金を貸してくれた男性がいました。
彼は彼女がテレビで活躍し始めた頃に亡くなります。
原因は不明で。リビングで倒れていて。
何日後かに彼の両親が発見されて。
自殺したと思われる様子はなく、他殺の様子も全くなく、
30代前半の悲しい死でした。
なんか愛ちゃんの死に似ているものを感じました。


愛ちゃんは、小学生高学年の頃から、親に不信感を抱くようになります。
14歳で家出してから、ずっと親とは会ってなかったわけですが、
23歳の時、テレビを観た母親から連絡があり、また会うようになりました。

愛ちゃんの母親は、23歳で結婚し、24歳で愛ちゃんを生みました。
母親は愛ちゃんが荒れていた頃、日記を書いているのですが、
(その日記もプラトニックセックスの中で公開されています)
母親は母親なりに必死に愛ちゃんを更生させようとしていました。

長かった家出生活を終え、実家に戻ったとき、母親の日記を読みます。
中学生の頃は全く知らない母がそこにいました。
母親が自分を産んだ年になって、ようやく母親の気持ちを理解します。

そして、愛ちゃんが亡くなった36歳は、
愛ちゃんが非行に走った頃の母親と同じ年齢くらいです。
なんか因果を感じてしまいます。

早すぎる娘の死。寂しすぎる孤独な死。
ご両親はさぞ落胆されているだろうと思います。
もっと早く見つけてあげたかったと後悔しているかもしれません。
親子って深いし難しいなと思いました。

愛ちゃん。
天国では愛に包まれて安らかに眠っていますように。

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