NHKドラマ監査法人と最初の上司
NHKの土曜ドラマ「監査法人」、 「ごくせん」の裏なので、視聴率は苦戦していますが、面白いです。
時代背景は2002年。 バブルの後遺症に悩む日本経済を立て直そうと奮闘する 若き公認会計士(塚本高史と松下奈緒)のドラマです。
ドラマの中の公認会計士には、大きくふたつのタイプに分かれています。 ●「ぬるま湯監査派」 → 見てみない振り 不況に苦しむ企業を救うためには、多少の粉飾も見逃そうという会計士。 ●「厳格監査派」 → 不正は絶対に許せない 不良企業は切り捨て、いかなる不正も認めてはいけないという会計士。
若き公認会計士のふたりは、「厳格監査派」です。 なぜ、二人がそうなったかというと、 最初の上司が、徹底した「厳格監査派」だったから。
若き二人は、最初の上司の影響を大きく受けて、 どんな不正も許さず、ロボットのように厳格に監査していきます。 しかし、「ぬるま湯監査派」の上司に替わり、戸惑います。 厳格監査がきっかけで自殺者が出て、 自分の仕事のスタンスは、これでいいのか悩みます。 悩むのはおもに塚本君。女性のほうがドライです。
「ぬるま湯」がいいか「厳格」がいいかの是非はおいといて、 このドラマを見ていて感じるんだけど、上司の存在はとても大きい。 とくに“最初の上司”が与える影響は大きく、 社会人としての価値観を左右するくらい力を持っている気がします。
ダメな上司ほど、そういう自覚に欠けているから、 若者は仕事に絶望しちゃうのかも。 その結果、離職率が高くなっているのかもしれません。 会社を選ぶのと同じように、上司も選べたらいいんだけど、 親が選べないのと同じように、上司も選べないんだよね。
ただ、親に口答えできない赤子と違い、新入社員は言葉が話せます。 わからないことは聞けばいいし、納得できないことは意見すればいい。 しかし、それを口にすると怒られるかもしれない、 怒られて自分が傷ついてしまうくらいなら、口答えはしたくない、 という若者側の気持ちも、離職率を高くしているように思います。
たとえ、自分の意にそぐわない上司と出会ったとしても、 人生の修行というか、学べることを見つけて欲しいし、 絶望しないで欲しいなぁ、と思うのでありました。
【ドラマ】2008年ドラマの感想
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