momocafe

HOME 恋愛占い お問い合わせ

1999年から悩み相談室を運営しています。
相談室は参加型の掲示板になっています。皆様の知恵や経験が力になっています。よかったらお力を貸してください。

スポンサーリンク




普通の家族がいちばん怖い〜破滅する食卓

岩村暢子さんのを読みました。

養老孟司先生が、「現実はホラーよりもホラー」と本の帯に感想を書かれていたんだけど、読んでいる途中、さみしい気持ちになりなりました。

本の内容は、簡単に説明すると、クリスマスと正月の食卓の風景を写真つきで分析した本です。223世帯の主婦にアンケートを実施し、誇張してないことの物証として写真を添付しています。アンケートの結果が出た後、60人の主婦に集団インタビューを行い、それらの様子もあわせて、現代の「普通の家族」の実態を探っています。


家族全員がお休みで家にいても、元旦の食卓に家族が揃わない家庭は約4割もありました。元旦だからといって改まってお節は食べることはなく、親も子も好きな時間に起きて、好きの物を食べる家庭が4割です。

ある家庭では、元旦から、袋入りのロールパン、菓子パン、シリアル、インスタントコーヒー、みかんなどが、テーブルに無造作に放り出されていました。11歳と9歳の子どもは各自起きてバラバラに食べた跡があります。そもそもこの家庭には、普段から家族で食卓を囲む習慣がありませんでした。まさに、「1年の計は元旦にあり」です。

こんな家庭がこの家庭だけなら、まあいろんな家もあるわなと思えるけど、こんな家庭が少数派ではなくなっているのです。

「お節料理は作るのも食べるのも嫌い」(42歳主婦)
「お節は実家で食べるもの、私は作らないもの、って感覚」(44歳主婦)
「初日の出を見た後、ファミレスで好きなものを食べるのが恒例」(38歳主婦)
「子ども達は焼肉とかじゃないと呼んでも部屋から出てこない」(46歳主婦)
「子どもがいるので、無理してお節を作ることなど一切しません」(37歳主婦)
「正月だから家族一緒にいなきゃと束縛するような考えはない」(48歳主婦)
「うちでは、そういうの自由にしているんです」(50歳主婦)
「そういう厳格な風習は、うちにも実家にもないですから」(36歳主婦)

作らないことが当たり前で、後ろめたさは全く見られない主婦もいれば、元旦に家族揃ってお節を食べるのは、厳格な風習だという主婦もいて、それを家族に要求しないことを寛容だと思っている主婦もいます。

そういう家の子は、母親がお節を作る姿を見たことが一度もありません。子どもが独り立ちしたとき困らないよう、家庭でできることは教えようとは思わないみたいで、それよりも自分が楽することが大切なようです。この子達が大きくなったら、正月はどんな風に変化しているんだろう。もうすでに家庭を持つことを望まない人も増えていますからね。

不思議なことに、お正月が疎んじられる一方で、クリスマスは盛大になっています。このアンケート調査は、時期をずらして2回に分けて実施されているんだけど、中高生になってもサンタクロースがプレゼントをくれる家庭は、1回目の調査では2・6%だったのが、5年後には47・8%と急増してました。

「子どもには夢を持って欲しい」
「子どもは夢を見なければいけない」
とサンタ信じさせることが夢だと語る親。
中高生になってもサンタを信じているような子どもであって欲しい、大きくなってもあまり現実を見ないで欲しい、と思う親が増えているのです。社会人になって初めて現実を知りストレスためるほうが可哀想な気がしますが。

また、正月を嫌がる主婦の声に、「クリスマスは自分の好きなようにできるから好きだけど、正月はやらなきゃならないことが決まっているからストレスが溜まる」「クリスマスは自分のやりたいようにやれるけど、お正月はやらなくちゃいけないことがあって義務みたいな感じだから楽しくない」とこんな感じで、決められたことは嫌がり、好きなことだけする傾向がありました。

郷土色が色濃く出るお雑煮。
形を変えながらも家庭の味として伝えられていると言われてますが、2回目の調査で「夫の実家流」で味つけする主婦はたったの1割。38.5%が「妻の実家流」。残りの5割は、「私のオリジナル」でした。現代家庭では、「私好みのお雑煮」が主流です。夫の実家に配慮するか「私好み」で通すかの境界線は1955年生まれで、それ以下の主婦は、「私の好み」を家族に優先する傾向が強いそうです。


それにしても、食卓からだけでもいろんな事が見えてきますね。
伝統よりも個人の自由を尊重してきた結果といえばそれまでですが、孤独な人が増え、犯罪が増えているのを見ていると、果たしてそれでいいのだろうかと考え込んでしまいます。私も胸を張って出来てます!やってます!とは言えないけれど、この本にあった現実を普通だとは感じたくないと思いたいです。

こどもの問題はおとなの問題


< 篤姫に坂本龍馬登場、今までにない玉木宏

Top

category

スポンサーリンク


link

XML