昔は「ランチメイト症候群」今は「便所飯」
便所飯。 朝日新聞の夕刊(7月6日)で取り上げられてから、 ラジオやテレビなどあちこちで話題になっています。
《便所飯》というネーミングが衝撃的だから、 おもしろおかしく報道しているんだろうな、と思っていたのですが、 意識してみると、学生が多く集まる場所のトイレで、 「食事禁止」の貼り紙を見かけるようになりました。 そして、あいのりの桃ちゃんも便所飯経験者であることを告白。 まんざら大袈裟な報道ではなかったんだな、と驚いています。
便所飯は、トイレの個室でごはんを食べる行為のことです。 そんな不潔な場所で食べるのか、と驚くかもしれないけど、 学生を中心に若者の間で広がっているそうなのです。 ひとりぼっちでごはんを食べる姿を人に見られるのが嫌で、 あいつは友達がいないと思われるのが恐ろしくて、 便所飯に走ってしまうそうです。
ひと昔前、「ランチメイト症候群」が話題になりました。 ひとりぼっちで食べるランチが苦痛で、隠れて食べたり、 学校や会社に行けなくなる人の事を説明した言葉でした。 ひとりで食事をするような人間は、人間としての価値がないという不安が、 そうさせてしまうそうですが、「便所飯」とよく似ています。
私も、似たような経験があります。 ひとりぼっちの恐怖とは逆で、ひとりになりたい症候群です。
初めて転勤したとき、新しい職場は知らない人ばかりでした。 有り難いことに、ものすごく大事にしてもらいました。 当然のように、お昼の休憩時間も、誰かが食事に誘ってくれます。 最初のうちは、早く慣れるよう一緒に食事に行っていたのですが、 沈黙が苦痛で、あれこれ話題を考えながら、お昼に行ってました。 仕事中も気を遣い、休憩時間も気を遣い、だんだん疲れてきたのです。
「お金を貯めるから」という理由で、弁当を持参するようにしました。 しかし、今度は、弁当仲間から一緒に食べようと誘われました。 ほんと贅沢な悩みなんだろうけど、やっぱり苦痛でした。 お昼の時間くらい、ぼんやり休みたいと思い詰めるようになり、 どうしたかというと、50分しか休憩時間がないのに、 わざわざ電車に乗って、隣の駅まで行き、駅近くの公園で弁当を食べました。 ほっとする反面、なんでこんな事しているんだろうと落ち込んで、 前の職場に戻りたいと公園でしくしく泣いたこともありました。 だから、ランチが苦痛という気持ちは、事情が違えどわかります。
でも、仕事に慣れてくると、一緒に働いている人にも気を遣わなくなり、 沈黙も平気になるし、何か話さなければならないという気負いもとれました。 自然体でいられるようになると、一緒に食べることも仕事も楽しくなり、 隣の駅で食べるという面倒くさいこともしなくなりました。
オバタリアン化した今の私からは想像できないけど、 私にもそういうかわいいところはあったのであります(^m^)
人は、人との関係性の中で、自分を評価するところがあります。 ひとりぼっちが寂しくて、ひとりぼっちを卒業したいのなら、 人と関わることに少しずつ慣れていくしかないのかなぁと思います。
女の子ってややこしい
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