熊本市動物愛護センターのイノキに幸あれ
先日の『追跡!AtoZ』はペット特集でした。
番組の後半で、熊本市動物愛護センターが開催している譲渡会の様子が流れていました。譲渡会とは捨てられた犬の新しい飼い主を見つける会です。人気があるのは子犬ばかりで、成犬は見向きもされていません。「僕を飼ってぇ〜」と声が聞こえそうなくらいアピールしている犬もいました。
その中にイノキという名の犬がいました。イノキが譲渡会に参加したのは42回目。残念ながら42回目の譲渡会も里親に出会えませんでした。スカーフをつけてオシャレしているイノキ。しょんぼりしているイノキ。なんとも健気なのです。あれから、イノキの事が気になって、熊本市のホームページを見ているのですが、イノキの里親はまだ見つかってないようです。イノキや全ての犬達に幸ありますように。
今、国内で飼われているペットは2600万匹。子供の数より多くなっています。 我が子のように愛され飼われているペットがほとんどですが、悲しいかな、年間9万8千匹の犬が殺処分され、猫を加えると約30万匹の命が処分されています。自治体も思い直すよう飼い主を説得しているようですが、飼い主を思いとどまらせるのは難しく、大量処分の現状が続いています。
放送の翌日、日経新聞に『熊本市動物愛護センター』の取り組みが紹介されていました。熊本市動物愛護センターは「殺処分ゼロ」を目指していて、去年はわずか1匹まで減らしたそうです。殺処分の総数を考えるとすごい努力の成果です。
飼い主が犬を手放す理由で最も多いのが、かみ癖や吠え癖などの問題行動なんだそうです。日本では「子犬志向」が異常に高いため、多くの犬が生後間もなく親から引き離されます(データによると、ペットショップで販売された犬のうち、9割以上が生後2ヵ月以内の子犬)。ちゃんと躾けられずに育った犬は、社会性が育たず、わがままになりやすく、問題行動やトラブルが増えるそうです。
ドイツの取り組みが紹介されていました。ドイツでは、ペットショップで犬を販売することを規制し、ブリーダーが繁殖できる頭数も、子犬が母親と過ごす期間も決められていました。また、保護された犬の9割が、年齢に関わらず、新しい飼い主に引き取られています。年寄りには元気な子犬を飼うのは大変と語る人もいました。
日本はわりと自由に繁殖できるので、劣悪な環境でひたすら子供を産ませたり、大きくならないよう注射を打つブリーダーもいるようで、何度も帝王切開した母犬の手術跡は痛々しかったです。日本もドイツのように規制すれば、悲しいことが減るかもしれないけど、規制しなければペットを大切にできないのは情けないことです。
虐待の実態も紹介されていました。子猫を次々と集め、成長すると可愛くなくなったと捨てる飼い主。深夜の繁華街で得意客におねだりして買ってもらったペットをすぐ返品して報酬を稼ぐホステス。同じ人間仲間として恥ずかしい。胸が痛かったです。
ドキュメンタリー番組で感じたこと
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