NHKドラマ「八日目の蝉」の最終回は奇跡
NHKドラマ「八日目の蝉」を見てます。 角田光代さん原作、浅野妙子さん脚色のドラマ。 ★角田光代さんのスタジオパークの感想はこちらにアップしました。
主人公の檀れいは、不倫相手の子どもを妊娠します。 不倫相手から子どもを堕ろしてくれと泣きつかれ、 不倫相手の子どもを中絶。 中絶が原因で子どもの産めない身体になり、 その直後に、不倫相手の妻の妊娠が発覚。 不倫相手の妻に浮気がバレ、妻からなじられ、 妻からお腹の中の赤ちゃん(胎児)の写真がFAXで届き、 身も心もぼろぼろになった彼女は、 不倫相手の妻が産んだ赤ちゃんを誘拐し、 赤ちゃんと一緒に5年半逃亡します。
第1話は、赤ちゃんを誘拐するまで。第2話からは逃亡生活。 そして、第5話で、とうとう逮捕されてしまい、 血の繋がらない母と娘の幸せな生活は終わってしまいました。 予告で逮捕されことはわかっていたのですが、その瞬間は切なかったです。
血は繋がってなかったけど、相思相愛の親子でした。 娘は母に「大人になったら男の子になって、ママと結婚する。 そしたら、女手ひとつじゃなくなる」と宣言。 それがもう可愛くて、すごく可愛くて、胸きゅん。 許されない関係だから燃え上がる、みたいなところは不倫に似ているのかも。
でも、だからこそ引き離された後の娘を思うと可哀想で。 子どもは親も育った環境も選べないから、大人に振り回されるだけ。 どんな事情があっても誘拐なんて許される事ではないんだよね。 「子どもは3歳までに一生分の親孝行をする」と言った人がいたけど、 成長のひとつひとつが愛おしい時期を親から奪った罪は大きいと思う。
八日目の蝉には、事情を抱えた女性が他にもたくさん出てくるのですが、 吉行和子と坂井真紀の親子関係もぐさぐさ胸に突き刺さりました。 親のせいじゃないのに親を責めてしまう、そんな自分が嫌で、 故郷に帰れない、実家に居づらい気持ちが痛いほど伝わってきて。 母親に思われれば思われるほど、会えない息子を思い出すんだろうな。
来週は最終回。最終回のタイトルは「奇跡」。 罪を償ってハッピーエンドになるといいなぁ。
●「八日目の蝉」最終回の感想
タイトルが「奇跡」だったからハッピーエンドを期待していたのですが、 ハッピーエンドとは言えないような、もやもやしたラストでした。 でも、あれで良かったと思います。 いくら罪を償っても、希和子は薫にやっぱり会ってはいけないと思ったから。
愛してるから子育てする、というのは母性なんだろうか? 私にはエゴにしか見えなかった。
大好きだった母親が世界一悪い女だったと思わなくちゃいけない薫。 島の言葉を話すことがいけないことだと怒られる薫。 5歳の女の子が理解するには重すぎるし、 こんな苦しみを5歳の女の子に与えた罪は大きすぎる。 希和子がありったけの母性を発揮し幸せだった薫との日々は、 薫の苦しみの上に成り立っていることを忘れてはいけない。
でも、だけど「朝ごはん食べてないの〜」には、やられました。 私も北乃きいちゃんと一緒に号泣です。 特別な言葉ではなく、変凡な言葉なのに。 でも、平凡な言葉だから、母親なんだよね。 岸谷五朗の「頑張りやぁ〜」もそうだったんだけど、 単純なセリフは、ツボにはまるととても重く、琴線に触れます。
もの足りなかったのは、北乃きいちゃんが実の母親に電話するシーン。 もう少しちゃんと見たかったので丁寧に描いて欲しかったです。
八日目の蝉は、薫と希和子の物語なので、ラストはこれでいいんだけど、 もし、続きがあるのなら、文治が希和子を見つけてくれたら嬉しい。
【ドラマ】2010年春ドラマの感想
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