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ひとりが怖い!ひとりで学食に入れない大学生

この10年くらい、若者のコミュニケーション能力の低下が叫ばれ続けています。

日本経団連がまとめたアンケート調査結果によると、新卒者の採用面接で最も重視する要素は7年連続で「コミュニケーション能力」になっていました。最近は、結婚相手に求める条件にも、コミュニケーション能力が上位に挙がっています。

どうして、こんなにコミュニケーション能力が低下したのか、様々な人が分析していますが、先日、NHKの特報首都圏も大学生のコミュニケーション能力について特集してました。

ひとりでは学食に入れないという若者が急増中。
なかにはトイレで食事をすませる「便所飯」もいる。
ひとりが怖い!という若者の姿を伝える。


法政大学の尾木直樹教授が、400人の学生を対象に調査をしたところ、ひとりで食堂に入りにくいと答えた大学生は、6割近くもいました。そして、最近話題のトイレで食事をすませる「便所飯」の経験者は2%いました。尾木教授は、自分が教えている学生の中に、便所でごはんを食べている学生がいるのはショックだと嘆いていました。

大学生の間では、昼食をどう過ごすかが深刻な問題になっていて、お昼を食べる相手がいないことが原因でひきこもりになった学生もいました。学校に行けなくなった学生がインタビューで「ひとりで食べることはそんなに嫌ではなかったけど、ただ、ひとりで食べているところを見られて「寂しいヤツだ」と思われることが嫌だった」と語っていました。

彼は顔を出してインタビューに答えていたんだけど、なかなかの男前で話し方もきちんとしていて、友達ができないようなタイプには見えませんでした。ということは、ほんの少しのきっかけで誰でも彼になりうる可能性があるんですよね。

携帯電話がないと生きていけない大学生達も紹介されていました。中には、携帯電話に登録している友達の数が700件を超えている大学生もいました。友達の数は多ければ多いほど安心するそうです。

今の大学生にとって、友達がいないことは人格の評価としては「下の下」になり、そういう人間として評価されるのを異常に恐れているそうです。「友達がいない生活は価値がない」「友達がいるのが普通の学生」みたいな思いにとらわれ、「俺は一人なんだ」「一人のどこが悪い」と居直れないのです。

尾木教授は、こんな風に、大学生が孤独な自分を見つめたり、精神的に自立できていないのは、精神の発達が遅れているのが問題だと言ってました。そして、驚くことに、
今の大学生の精神の発達レベルは中学生レベルなんだそうです。

で、これについて、スタジオにいた東洋大学の中村功教授が興味深い分析をしていました。覚えている範囲でダラダラ書いてみます。

『地域、家庭、学校、会社といった共同体や組織の規制力が弱まり、生き方が自由になってきた。それは一面ではいいことだけど、他方ではどこでも通用するような価値観を持ち辛い時代になってきた。

共通の価値観がないので、いつも相手の反応を探り、それを自分の物差しにして心の安定を図ろうとするが、大きく違う価値観を調整しあうためにはコミュニケーション能力が必要になる。友達が多いということは、その能力が高い物差しになっている。

今は携帯などコミュニケーションの道具が高度に発展している。そのおかげで便利になってきたけど、自分にとって不都合な相手と向きあうときのテクニックが得難いし育ちづらい。たとえば、好きな女の子が出来たとき、相手の家に電話をしてお父さんが出てきたらどうしようという経験は今の若い人はほとんどない。

いろんな交通手段が発達してきた。そのせいで私達は同時に運動不足になった。
健康のために意識的にジョギングをしたり、ウォーキングをしたりしてエクササイズをするわけだが、コミュニケーション能力もそれと同じである。今はコミュニケーション手段がすごく発達してきた。であるからこそ、逆に人間関係のエクササイズが必要な時代になってきている』


コミュニケーション能力は、人や社会とのつながりの中で育まれていくものであって、ひとりで勝手に育つものじゃないからね。私が子どもの頃は、名前も知らないじいさんに怒られたり、誰だかわかんないおばちゃんに銭湯で背中を流してもらったり、八百屋や魚屋のおいちゃんおばちゃんは聞いてもないのにおすすめ品を教えてくれたり、生活の中に知らない人と接する機会が多々あり、感謝したり断ったりするチャンスがたくさんあったからね。

でも、今はそいう機会がほとんど無くなりました。ジュースもたばこも自販機で買えるし、切符は機械がチェックするし、いやいや切符も消えようとしています。世の中がシステム化され便利になればなるほど、人と接する機会が減るわけで、コミュニケーション能力が低下するのは自然の流れなんだと思った。

番組の中で、大学生の人間関係づくりのサポートに力を入れている大学が紹介されていました(嘉悦大学と名古屋工業大学)。小学生や中学生じゃあるまいし、友達作りまで大学がしなくちゃならないなんてと最初は驚いたけど、こういう努力も必要な時代なんだよね。そう思うと、採用の段階で「コミュニケーション能力」を求めるのはちょっと酷だよなぁと思ったのでした。

ドキュメンタリー番組で感じたこと


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