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映画「告白」の感想「松たか子の最後の一言」

映画「告白」を観ました。

 監督:中島哲也
 脚本:中島哲也
 出演:松たか子、岡田将生、木村佳乃
 公開:2010年6月


少年犯罪を担当している弁護士さんが言ってたのですが、犯罪を犯した息子や娘の母親がよく言う言葉が「もう一回、この子をお腹に戻して、やり直したい」なんだそうです。

親だって人間。
どんなに頑張っても間違いはある。
反省もする。後悔もする。

だけど、だけど、
親は子どもの前で子育てを後悔しちゃいけないと思う。
とくに思春期の子どもの前では・・・。

思春期は、周りの目を過剰に意識してしまう時期です。心のよりどころをいつも探している状態です。そんな心が不安定な時期に、親から自分の子育てを後悔されたら、子どもは「自分が否定された」ようにしか感じないと思う。たとえ、親が子どもではなく自分を責めている言葉だとしても、もし「育て方を間違えた」と言われたら、子どもは「お前は出来そこないの人間だ」と言われているように感じるんだろうな・・・

と映画「告白」を観て、そんなことを考えました。
小説の感想に引き続き映画の感想です。

映画は、小説を読んでから観たので、どうしても比べてしまいます。どちらが好きかと聞かれたら間違いなく「小説」と答えます。ただ、小説は他人事のように読んでいたけど、映画は「もし、私が松たか子の立場だったら」、「もし、私が木村佳乃の立場だったら」と考えていたので、感情移入できるのは映画だと思います。

映画も小説と同じく森口先生の独演会から始まりましたが、映画は、小説では見えなかった生徒達の様子が映像で見ることができて、私の想像を超える態度の悪さに驚きながらも、「そっか森口先生はこんな状態の中で淡々と話していたんだ」と小説の中にいる人が本当に生きているような不思議な気持ちにもなりました。松たか子が上手いんです。

岡田将生が演じるウェルテルもよかったです。彼は学生服を着ているイメージが強かったんだけど、松たか子と同じく原作から飛び出してきたみたいでした。あと少年Bを演じた下村直樹もよかったな。難しい役なのによく頑張ってました。でも、中学生に感情移入することはなかったなぁ。私がそれだけ年を取ったということなんだけど。

告白の監督は、中島哲也監督。カラフルなイメージがあるのですが、今まで見た中島監督の作品(下妻物語&嫌われ松子の一生)と比べると地味でした。でも、音楽は常に激しく流れ、映像はCMのようにインパクトがあり、演出はミュージカル仕立てありで、中島監督らしさは十分伝わってきました。しかし、それが逆に嘘っぽくて冷静に観てました。そしてなにより違和感を感じたのは最後の一言。たぶん、最後の一言に監督の思い入れがあるんだと思うけど、私はないほうがよかった感じがしました。

「告白」のパンフレットを買いました。なぜか売り場の見える場所にはなく隠されていました。R-15指定だから? パンフレットで面白かったのは生徒達の紹介。1年B組全員の名前と一緒に所属している部活動も書かれていました。ひとりひとり人物設定しているんでしょうね。ちなみに、少年Bの下村直樹は「元テニス部」、クラス委員の北原美月は「バトミントン部」、少年Aの渡辺修哉は「帰宅部」でした。

芦田愛菜ちゃんが松たか子の娘役で出てました。可愛かったですぅ。
出番はちょっとだったけど存在感は大。
でも、「Mother」と同じく可哀想な役なの。
お願い!次の作品は彼女を幸せにしてあげて〜。

ちょっぴりネタバレあり映画レビュー


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