サピオに並べられた学校の変な給食写真
●東京都日野市の給食 味噌ラーメン、あんドーナツ、みかん、牛乳 ●東京都調布市の給食 ジャムトースト、酢豚、みつ豆、牛乳 ●滋賀県彦根市の給食 生クリームサンド、焼きそば、牛乳 ●愛知県一宮市の給食 カレーラーメン、たこ焼き、乳酸菌飲料、牛乳 ●大阪府東大阪市の給食 いちごツイストパン、すまし汁、チャプチェ、牛乳
これは、学校給食の献立です。 一品、一品は、普通の食べ物だけど、組み合わせで見ると変な組み合わせです。 しかも、ファーストフードにあるようなジャンクなメニューです。
どうしてこんな変な組み合わせの給食になるのか、 どうしてジャンクフードの見本市のような給食になるのか、 雑誌SAPIO(サピオ)が特集を組んで調査していました。 サピオには写真も掲載されているんだけど、写真で見ると衝撃的です。 (写真は撮影に立ち会った幕内秀夫さんのです)
文科省の給食を担当している役人も、この献立を見て 「それだけ食べ合わせが悪いものがあるとは正直ビックリしています」 と驚きを隠せないコメントをされていました。
文科省が決めているのは、栄養素の所要量の基準のみ。 その基準に合わせて各々の栄養士さんが献立を立てています。 全国一律で決まっているわけではないので、 学校によって献立はバラバラ。よって地域差が出てきます。
栄養士さんの言い分によると、 子どもが食べ残さないようなメニューを考えると、 菓子パンやパスタやラーメンなどを主食にすることが多くなり、 栄養バランスやコストを気にしていると、 変な組み合わせの給食が増えてしまうそうです。
また、最近は、若い栄養士さんも増え、 ファーストフードが生活に密着している世代だからか、 変な給食に違和感を抱かない人もいるようです。
数年前、問題になった「ばっかり食べ」も似たものを感じます。
日本人は、和食をおいしく味わうために、 ごはん→おかず→みそ汁 という風に順序よく食べ(三角食べ)、 口の中で上手に調理し(口内調味)、 無意識のうちに味や栄養を身体で調整していたのですが、 食生活の変化によって、その三角食べができなくなり、 同じものばかり食べる「ばっかり食べ」をする人が増加しました。
例えば、幕の内弁当は、一品ずつ食べていきます。 卵焼きを食べ終わってから、魚を食べて、 魚を食べ終わってから、ごはんを食べる。
焼肉定食は、焼肉を食べて、ごはんを食べて、味噌汁を飲みます。 カツ丼は、卵を食べて、カツを食べて、ごはんを食べます。 ハンバーガーは、ハンバーグを食べて、パンを食べます。
カツ丼は、卵と豚カツとごはんを一緒に食べるから美味しいのに、 それでは気持ちが悪いと別々に食べる人もいるそうです。
どんな食べ方をしても、おいしく食べて、健康であればいいんだけど、 「ばっかり食べ」をしていると、お肉ばかり食べてしまったり、 菓子パンばかり食べてしまったり、好きなものだけ食べるようになるので、 どうしても栄養が偏る傾向があり、病気の原因にもなります。
しかし、こんな変な組み合わせの給食を出されたら、 「ばっかり食べ」をしてしまう気持ちもわからなくないです。 酢豚とジャムトーストを一緒に口に入れるのは、 丼物が大好きな私でも気持ち悪いです。 酢豚を食べるなら、やっぱりお米のごはんと一緒に食べたいです。
しかし、最近の給食は、バイキングやご当地メニューなどもあり、 ちょっと贅沢じゃない?と思うくらい工夫されてる給食もあるから、 給食の献立も学校によってずいぶん差があるようです。
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